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療養所
「療養所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
療養所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
のだ。 その名はいうまでもなく、鵯島には、兼常龍陽博士が私費を投じた、天女園癩
療養所があるので、橋を渡る人達といえば、悉くが憂愁に鎖された、廃疾者かその家族に....
「癩」より 著者:島木健作
診察でしょう……今までだってわかるにはわかっていたんだが。あの二人は大阪近郊の癩
療養所の医者なんです。つまり専門家に診せたわけですね。鼻汁《はなじる》のなかに菌....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
す。行先は村役場できくことが出来ましたが、K県の管轄になっている孤島であります。
療養所が設けられてあるところだそうです。私は思い切ってその島を尋ね、勝見に会って....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れは、一八七二年六月四日発行の「マンチェスター郵報」紙で、日本医学生|聖リューク
療養所より追放さる――という標題の下に、ヨーク駐在員発の小記事にすぎなかった。が....
「雀」より 著者:太宰治
難やらで悲しい活気を呈していた。その頃の事だが、或る日、昼飯後の休憩時間に、僕は
療養所の門のところに立ってぼんやり往来を眺めていた。日でり雨というのか、お天気が....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
かった。 「頼朝が流され日蓮が流された離れ小島のようなこの町にも、戦争以来、温泉
療養所ができまして、あたかも当物療科の延長の感があり、そこの諸先生方と親しくして....
「小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
ない」もののようでもあった。もとより事情は不可能であろうが、私は、精神病院と結核
療養所の位置を変えたらよかろう、と、鉄格子から、変哲もない都会の屋根や電線を眺め....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
ら、部屋を出ると、別荘の裏口から森を抜け、草の小路を真直ぐに、外人の経営している
療養所の赤い建物の方へ歩いた。 アカシヤの並木がつづき、近く小川のせせらぎが聞....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
って、やまももの洞に彫ったあれを見ているそうね。 あたくしも、あなたと散歩した
療養所裏の林の、白樺の幹を欠かさず見ています。 一つは、あたくしが四年あなたが....
「光は影を」より 著者:岸田国士
一瞬にして、霧のように消え去つた。小萩が、松本の病院から、小諸の奥にある国立結核
療養所へ移つたという報らせなのである。 「簡単な文面でよくわからないんですけれど....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
とネギだというから、そっくりスキヤキ地帯でもある。 二十年ほど昔になるが、高原
療養所でコンニャクストライキという騒動があった。食事にコンニャクばかり食べさせる....
「食指談」より 著者:佐藤垢石
の蕎麥には及ばぬと思う。就中、富士見高原の蕎麥を絶讃したい。 富士見でも、高原
療養所の小使が打った蕎麥が素敵である。釣友正木不如丘博士が
療養所の院長であるが、....
「酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
山国の晩秋は、美しかった。 麻生豊、正木不如丘の二氏と共に、いま戸倉温泉の陸軍
療養所に、からだの回春を待ちわびている三百人ばかりの傷病兵の慰問を志して、上野駅....
「四つの都」より 著者:織田作之助
庄平(寄って行き)「奈良の地図ですか、一寸(と言って地図を横取りし)――そうだ、
療養所があったんだな、えーと、この道をこう行って……。僕序でだから
療養所へ行く事....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
という。環境を変えるため、下谷西町の小さいながらも庭のある家へ引越したり、千葉の
療養所へ入れたりしたが病気は悪くなるばかり。一方私は商売が忙しく手が放せない。男....