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「癇性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

癇性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「こころ」より 著者:夏目漱石
《むとんじゃく》な私には、先生のそういう特色が折々著しく眼に留まった。 「先生は癇性《かんしょう》ですね」とかつて奥さんに告げた時、奥さんは「でも着物などは、そ....
「草枕」より 著者:夏目漱石
》を塗《つ》けてくれないか、痛くって、いけない」 「痛うがすかい。私《わっち》ゃ癇性《かんしょう》でね、どうも、こうやって、逆剃《さかずり》をかけて、一本一本｜....
「道草」より 著者:夏目漱石
息持《ぜんそくもち》であった。年が年中ぜえぜえいっていた。それでも生れ付が非常な癇性《かんしょう》なので、よほど苦しくないと決して凝《じっ》としていなかった。何....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
腕で、羽二重で結えたように、胸へ、薄色を抱いたのである。 「貴娘は、先生のように癇性で、寒の中も、井戸端へ持出して、ざあざあ水を使うんだから、こうやって洗うのに....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れば、『古代丁抹伝説集』などの史詩に現われている妖術精神や、その中に、黴毒性｜癲癇性の人物などがさかんに例証として引かれている――そのくらいの事は、当然憶えてな....
「女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
を知らなかった。変態性欲者ちゅうの一種の色情倒錯《しきじょうとうさく》狂でかつ癲癇性激怒《てんかんせいげきど》の発作を併有《へいゆう》するものに相違ないと、一部....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
せる、いつも藍《あい》みじんを着て、銀鎖の守りかけを、胸にのぞかせているような、癇性《かんしょう》らしい若者―― いずれ、やくざに相違ないと知って、出来合って....
「人の子の親となりて」より 著者:坂口安吾
供ともあろうものが、千葉のお助けジイサンの世話になりそうなところがミジンもなく、癇性のところがない。何より私は安心した。 二ヵ月ぐらいたつうちに笑顔を見せるよ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
を旧式のこちこちと批難しながら、一方では、なんでもその母に倚りかゝつていた。母は癇性といえるほどの綺麗好きで、また、料理の天才であつた。母の手料理は、なんでもう....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
らせながら、私の顔を正視したまま、頑固におし黙っている。抑鬱病患者によく見る、癲癇性不機嫌といわれるあの顔である。私はつとめて口調をやわらげて、いろいろと問いを....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
だけにある。南じゃ朝っぱらから色ばなし。……いや、見あげたもんだ、感じ入ったよ」癇性に身を反らして、ひれ伏す岡ッ引どもを、骨も徹れとばかり睨みつけていたが、ふと....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
裟に引きとめる科《しぐさ》で、 「まあまあ、お待ちなさい。……相変らず、あなたも癇性だ。……お返事がなければ、手前が釈義いたしましょう。……なぜ、こうポカつくか....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
…結局、さっきと同じ話になってしまうわけだが……」 仁科伊吾は、太い一文字眉を癇性らしく動かしながら、すぐにはそれに答えずに、うつむき加減に膝に目を落していた....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
毎朝、手洗の金蒔絵の耳盥《みみだらい》をそのたびにお使いすてになるというくらいの癇性。殿さまがお話にいらっしゃるにも前もって腰元を立ててご都合をうかがうという。....
「鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
せっかちの口やかまし屋で、しょっちゅう小言ばかり云っていた。そのうえ手に負えない癇性で、畳に顔をこすりつけるほどにして調べてはササクレをいちいちつまみとらせたり....