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「癇癪玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

癇癪玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
若杉裁判長」より 著者:菊池寛
れはおそらくこの事件を伝えた新聞紙の誇張であったのでしょう。当の犯罪者の少年は、癇癪玉《かんしゃくだま》を一緒に、三つばかりぶつけたといっておりますから、そんな....
行人」より 著者:夏目漱石
で来るか、または彼の平手《ひらて》が頬のあたりでピシャリと鳴るかと思って、じっと癇癪玉《かんしゃくだま》の破裂するのを期待していた。そうしてその破裂の後《のち》....
親子」より 著者:有島武郎
とはきはき言って退けた。彼にはこれは実に意外の言葉だった。父は黙ってまじまじと癇癪玉を一時に敲きつけたような言葉を聞いていたが、父にしては存外穏やかななだめる....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
「そうだ、電話をかけよう」 事務室に飛びこんだ課長は、まどろこしい郊外電話に癇癪玉を爆発させながら、それでも漸く警察署を呼び出し、自動車|取押え方の手配をす....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
やると、振り返って私を※でしゃくった。 見ろい、イフヒムの奴を。知ってるか、「癇癪玉」ってんだ綽名が――知ってるか彼奴を。 さすがに声が小さくなる。 イフ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の社頭から、お角さんを蒔《ま》いてしまうという結果となり、ついにはとうとう先方の癇癪玉《かんしゃくだま》を破裂させて、お角さんだけはお先へ御免蒙って、名古屋へ乗....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
負惜みは、こうなってみると通らない、眼前に敵が大手をひろげていようというものを、癇癪玉だけでは済まされねえ、もうこうなっては、一かバチかあるのみだ、どう考えても....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
お通りには頓着なく、米友が梯子抜けの芸当にとりかかろうとする時に、お供先の侍が、癇癪玉《かんしゃくだま》を破裂させたような声で、見物は、はっと胆《きも》をつぶし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
はないか。いないとすれば向うの小屋に何をしている。 悠々たる白雲も、ついに少し癇癪玉《かんしゃくだま》が焦《じ》れてきて、向うの岸を見つめていたが、どうも遠目....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
て、頤を突き出しながら(註四六)った。 「もうちっとでも失敬なことを言うと、俺の癇癪玉も破裂するぞ。」と彼はよく言った。 私たちは幾度か暴風に遭ったが、それは....
水甕」より 著者:豊島与志雄
を見守って言いました。 「世の中のことは、辛棒が大切だよ。あんたもまあ若いから、癇癪玉を押えつけるのを、修業の第一とするがいいよ。」 また、或る時、会社で、業....
氷河」より 著者:黒島伝治
り、もっと達者なロシア語を使って、娘と家族の会話を彼の方から横取りした。中尉は、癇癪玉をちく/\刺戟された。が、メリケン兵をやっつけるとあとからもんちゃくが起る....
どろぼう猫」より 著者:海若藍平
りをみはって泥棒の用心さえしておればいいんだ。スッ込んでおいで」 犬はとうとう癇癪玉を破裂させました。 「黙れ。猫イラズを使う位なら貴様がいなくてもいいのだ。....
かもじの美術家」より 著者:神西清
を切るのです。 「主よ、恵ませたまえ、救わせたまえ。一たい誰のあたまに、あの人の癇癪玉が破裂するのかしら?」 ところでわたしたちはまだ、アルカーシャの気ちがい....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
りと考えられたのである。しかし、その束の間は実に数旬を出なかった。ついに持ち前の癇癪玉を破裂さし、失意の人となられたのは私から見て当然すぎるほど当然ではあるが、....