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癌
「癌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
癌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
身も肉体的にしみじみ疲れていることを感じた。僕の叔父《おじ》は去年の十一月に喉頭
癌《こうとうがん》のために故人になっていた。それから僕の遠縁の少年はこの正月に家....
「競馬」より 著者:織田作之助
ろ》ににじんでいる胸をさすがに恥《はずか》しそうにひろげて診《み》てもらうと、乳
癌《にゅうがん》だった。未産婦で乳
癌になるひとは珍《めず》らしいと、医者も不思議....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
悪い時はどうにも仕様のないもので、母親のお辰が四、五日まえから寝付いていた。子宮
癌《しきゅうがん》とのことだった。金光教《こんこうきょう》に凝《こ》って、お水を....
「家霊」より 著者:岡本かの子
ち》を借りて大事に中へ入れると、潜り戸を開けて盗人のように姿を消した。 不治の
癌《がん》だと宣告されてから却《かえ》って長い病床の母親は急に機嫌よくなった。や....
「食魔」より 著者:岡本かの子
垣の主人の死が目前に見本を示した。 檜垣の主人は一年ほどまえから左のうしろ頸に
癌が出はじめた。始めは痛みもなかった。ちょっと悪性のものだから切らん方がよいとい....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
立ちはだかってしまうのだった。まったく、人も建物も腐朽しきっていて、それが大きな
癌のような形で覗かれたのかもしれない。それであるからして、そういった史学上珍重す....
「わが町」より 著者:織田作之助
い時はどうにも仕様のないもので、母親のお辰が四五日まえから寝ついていたのだ。子宮
癌とのことで、今日明日がむつかしかった。 柳吉が腎臓を片一方切るという大手術を....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
物質からは、あのふしぎなアルファ、ベータ、ガンマの放射線が出てくる。この放射線が
癌という病気をなおすことは、誰でも知っているが、このごろでは、人類のためもっと貴....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
と常談のように声をかけたりした。この神経痛と思ったものが実は後に島木さんを殺した
癌腫の痛みに外ならなかったのである。 二三箇月たった後、僕は土屋文明君から島木....
「科学が臍を曲げた話」より 著者:海野十三
そこまで判っていません。 この超短波をデアテルミーのように、人体に通しますと、
癌などに大変|効き目のあることが発見されました。これをラジオテルミーと呼んでいま....
「光は影を」より 著者:岸田国士
ゝ出てくれなけれや、ほかの重役はなかなかどうして……。実は、あの連中がこの会社の
癌なんだから……」 と、社長は、最後に声をひそめて彼に告白した。そして、更に、....
「キド効果」より 著者:海野十三
厳上どうしても好ましからぬことであった。どうしても真犯人を見出して処刑し、永年の
癌であった彼等一味の、のさばり加減を撓める必要があった。 ところで犯跡を調べる....
「瘤」より 著者:犬田卯
一 中地村長が胃
癌という余りありがたくもない病気で亡くなったあと、二年間村長は置かぬという理由で....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
絶望だったものが今日では手当さえ早ければもう危険な病気ではありません。しかしまだ
癌とか癩病とかコレラとかは相変らず医術の力の外であります。 社会的施設の知識に....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
た猫背の測量技師だった。「大溝」は今日の本所にはない。叔父もまた大正の末年に食道
癌を病んで死んでしまった。本所の印象記の一節にこういうことを加えるのは或は私事に....