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癘
「癘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
癘の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
十一篇)。
夜はおどろくべきことあり
昼はとびきたる矢あり
幽暗にはあゆむ疫
癘あり
日午にはそこなう激しき疾あり
されどなんじ畏ることあらじ
法水はそ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
る。ここへは、米国コロンビア大学の薬学部長ラマビー博士一行が探検したが、ついに瘴
癘湿熱の腐朽霧気地帯から撃退されている。ただ、白骨をのせた巨蓮の食肉種が、河面を....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
に云った。 「故郷!」 と彼はもう一度云った。 永禄二年春以降、大いに甲府に
癘風起こる。ただ、風土記にはこう記されてある。 しかしどういう径路をとり、どう....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
べからず。之を以て、天子念ずれば、兵革、災難、国裡に入らず。庶人念ずれば、疾疫、
癘気、家中に入らず。惑を断ち、祥を獲ること、之に過ぎたるはなし。宜しく、天下諸国....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
如きに過ぎない。致仕した後に、力を述作に肆にしようと期していたのに、不幸にして疫
癘のために命を隕し、かつて内に蓄うる所のものが、遂に外に顕るるに及ばずして已んだ....
「宇宙爆撃」より 著者:蘭郁二郎
ょう、といって何も絶対的ではありませんけど……、とにかく僕は内地を出れば悉くが瘴
癘の地であるという考えをもっていたら間違いだ、といいたいのです、第一僕たちがボル....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
『囀《さえず》り草』の虫の夢の巻に、千住の飛鳥《あすか》の社頭で毎年四月八日に疫
癘《えきれい》を禳《はら》う符というを出すに、桃の木で作れり、支那に倣《なろ》う....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
震い、沖の方がひどく鳴りだした。これはただごとではない、また兵乱の前兆か、饑饉疫
癘の凶相かと、人人が不思議がっていると、午の刻になって俄かに大地震となり、海嘯が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
常陸帯《ひたちおび》をたぐりつくして、さてこれより北は胡沙《こさ》吹くところ、瘴
癘《しょうれい》の気あって人を傷《いた》ましめるが故に来る勿《なか》れの標示を見....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
けられた。シナイの風が、寂寞《せきばく》たる曠野《こうや》と力強い海との風が、瘴
癘《しょうれい》の気を吹き払った。クリストフの熱はとれた。彼はずっと安らかにふた....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
お》すべきものであった。彼はそこに腐敗と死滅とを感じた。全体として言えば、彼は瘴
癘《しょうれい》の気よりも泡沫《ほうまつ》を愛し、下水よりも急流を愛し、モンフォ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
る人間がございます。それは極った事で、この花嫁に付いて来たところの悪魔あるいは疫
癘というものがある。その悪魔あるいは疫
癘を八つ裂きに裂くところのトルマ(秘剣)を....
「穀神としての牛に関する民俗」より 著者:中山太郎
を立て加ふるは、中央土の色なり。木火金水に土は離れぬことわりあり。慶雲二年天下疫
癘|盛《さかん》にして、百姓多くうせたりしかば、土牛を造り追儺《ついな》といふ事....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
を認めていないのはいうまでもない。雑誌「自然」でも、荒川秀俊氏が“戦争と飢饉・疫
癘”の一文中にそれを指摘され、「平家を走らせたものは、水鳥でなく治承四年から養和....