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癢
「癢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
癢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
胸に組んだまま、しばらくは力自慢の五六人が勝負を争うのを眺めていた。が、やがて技
癢《ぎよう》に堪え兼ねたのか、自分も水だらけな袖をまくると、幅の広い肩を聳《そび....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
のうちに夏目金之助君が小説を書き出した。金井君は非常な興味を以て読んだ。そして技
癢《ぎよう》を感じた。そうすると夏目君の「我輩は猫である」に対して、「我輩も猫で....
「並木」より 著者:島崎藤村
実際相川はまだまだ若いつもりでいる。彼は、久し振で出て来た友達のことを考えて、歯
癢《はがゆ》いような気がした。 「田舎に長く居過ぎた故《せい》だ」こう言って見た....
「新生」より 著者:島崎藤村
二年でも三年でも巴里の客舎に暮せないのか、それは彼には言うことが出来なかった。歯
癢《はがゆ》い心持で、自分の下宿を出て見た。産科病院前の並木街にはプラタアヌの幹....
「嬌娜」より 著者:田中貢太郎
傷のほてりが、湯気のたちのぼって消えるようになくなってしまった。再び撫でまわすと
癢いようないい気もちになった。三たび撫でまわすと全身がすっきりしてきて、その心地....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
いて只早く顔が視たい。 三十分たち、一時間たつ。今に起きて来るか、と思えば、肉
癢《こそば》ゆい。髪の寐乱れた、顔の蒼《あお》ざめた、腫瞼《はれまぶち》の美人が....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
損うと思いましたから、尚おそっと窓の下に茫然立って居ると、藪蚊と毒虫に螫れるので
癢くて堪りませんから、掻きながら様子を立聞をして居ました。 ＊ そろばんがたの、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うに、小さければ小さいように、都会ならば都会のように、田舎ならば田舎のように、技
癢《ぎよう》に堪えられないで、その物音を聞くと武者ぶるいをするところの病があるの....
「二科展院展急行瞥見」より 著者:寺田寅彦
叉点で、ひどい皮膚病に冒された犬を見た。犬は自分の汚さは自覚していないが、しかし
癢いことは感ずるから後脚でしきりにぼりぼり首の周りを掻いていた。近頃のきたない絵....
「佳日」より 著者:太宰治
った東京の友人が、相変らず迂愚な、のほほん顔をしているのを見て、いたたままらぬ技
癢でも感ずるのであろうか、さかんに私たちの生活態度をののしるのだ。 「疲れたろう....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
きには父の治療を受けた。晩年の真頼翁はもう頭の毛をつるつるに剃っておられた。体が
癢くて困るといわれてうちの代診の工夫で硫黄の風呂を立てたこともあり、最上高湯の湯....
「興津弥五右衛門の遺書」より 著者:森鴎外
。介錯は入魂の山伏の由に候。 某はこれ等の事を見聞候につけ、いかにも羨ましく技
癢に堪えず候えども、江戸詰御留守居の御用残りおり、他人には始末相成りがたく、空し....
「Ｐ丘の殺人事件」より 著者:松本泰
も知らぬ男の電話にかかって、此ような旅館へ監禁された不甲斐なさを、今更のように歯
癢《はがゆ》く思った。 四 坂口はクロムウェル街を出て、Ｖ停車....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
舎と競争しようというほど燃上ったのではなかったが、左に右く春廼舎の技巧や思想の歯
癢さに堪えられなくなった結果が『小説神髄』の疑問の箇処々々に不審紙を貼ったのを携....
「西航日録」より 著者:井上円了
刈るにかみそりを用いず、毎日毛抜きをもって抜きおるを見る。これを見るすら、なお痛
癢を感ずるなり。 十三日、はじめてインド・フーグリ河口に達す。前日より海水よう....