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癩病
「癩病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
癩病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は、なにか仔細がなければならねえ。その家《うち》には悪い病気の筋がある。おそらく
癩病か何かの血筋を引いているのだろう。おやじは幸いに無事でいても、その子供たちは....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
その、甚だ心配を仕りまするので、はあ、」 「別に心配なんじゃありません。肺病でも
癩病でもないんですから。」 と先生警抜なことを云って、俯向きざまに、灰を払った....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ないということは明らかである。またこの結果としてはいろいろの病気、たとえば肺癆、
癩病のようなものが起る。特に土星と火星がその毒を混入するような位置にいるときはな....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
い不幸の象徴として理解しているのである。 どんな不幸な人をつれてきても、「まア
癩病のことを思えばいいじゃありませんか。」という慰めの言葉が残っている。しかし、....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
の上でひゅうひゅうと唸り、扉は冷たい闇のなかで悲しげに煽っていた。 ラザルスは
癩病患者のように人々から忌み嫌われたばかりではなく、実際
癩病患者が自分たちの歩い....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
があろうなどとは、怪我にも思うのじゃございますまいが、串戯をいわれるばかりでも、
癩病の呼吸を吹懸けられますように、あの女も弱り切っておりましたそうですが。 つ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
殺された。この住居は父が静を養うために古屋を購った別業の荒れたのである。近所に、
癩病医者だと人はいうが、漢方医のある、その隣家の荒物屋で駄菓子、油、蚊遣香までも....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
る事かとふりあおぎますと、おどろくまい事かすき通るほど光ってござった王子はまるで
癩病やみのように真黒で、目は両方ともひたとつぶれてござらっしゃります。 「なんだ....
「博物誌」より 著者:岸田国士
にとんで、太股を地につけて止り、赤い眼を私に向ける。 世間のわからず屋が、彼を
癩病やみのように扱うなら、私は平気で先生のそばへしゃがみ、その顔へ、この人間の顔....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
元の身分を洗って見ると、一件だッてね」 「一件?」 「一件で無いにしたところで、
癩病の筋なんか全く困る」 「それはそうで御座いますねえ」 「どうも世継の若様が眉....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
本妖怪の味は概して、生々とした、病的感、癈頽した生きものの感じを持つ、或るものは
癩病を思い出すように鼻などがなくつるりとしている。これは全くきみ悪い感じである。....
「白い蝶」より 著者:岡田三郎助
だから、彼処らも現今の様に賑かではなかった、殊にこの川縁の通りというのは、一方は
癩病病院の黒い板塀がズーッと長く続いていて、一方の川の端は材木の置場である、何で....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
ると、鎌倉では頼家を毒殺せんと企て、窃に怪しい薬を侑めた結果、頼家の顔はさながら
癩病患者のように爛れた。その顔を仮面に作らせて、頼家はかくの通りでござると、鎌倉....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ったものが今日では手当さえ早ければもう危険な病気ではありません。しかしまだ癌とか
癩病とかコレラとかは相変らず医術の力の外であります。 社会的施設の知識について....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
と直ぐ人の首筋に噛みつくの、これに噛まれると見る間に顔が変り、二た目と見られない
癩病患者のようになるのと、そろそろ大奥様をお脅かしになり、遂々無体な真似をなさろ....