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発つ
「発つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
発つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
。忌《いや》でもあろうが我慢して行ってくれと重ねて言った。治六はあしたの朝すぐに
発つと約束して、主人の手紙を懐ろへしっかりしまったが、帰る時に彼は胴巻から十両の....
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
たよりをする伝手《つで》があったら、わたしの方へもたよりを聞かしてくれ。いよいよ
発つという時には、もう一度逢いに来てくれと、お園は細々《こまごま》と言い聞かせて....
「親子」より 著者:有島武郎
らしかった。彼には父の態度と同様、小作人たちのこうした態度も快くなかった。東京を
発つ時からなんとなくいらいらしていた心の底が、いよいよはっきり焦らつくのを彼は感....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
くし、第二日野校ももちろん丸焼けである。そしてアスファルトの上に焼夷弾が十四、五
発つきささっているのは、胸にこたえる風景であった。同校の防火壁だけが厳然と焼け残....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
沈着に発砲せい!』 『よろしい!』て、二人ともずどんずどん一生懸命になって二三十
発つづけざまに発砲した。之に応じて、当の目あてからは勿論、盤龍山、鷄冠山からも砲....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
分にして肩に掛け、既に片影が出来ておりますから、蝙蝠傘は畳んで提げながら、茶店を
発つて、従是小川温泉道と書いた、傍示|杭に沿いて参りまする。 行くことおよそ二....
「伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
り判らなかった。そして、その時、殆ど何ものかに教えられたように、彼が二月前日本を
発つ時、彼の恋人が、 ――たまに公園でも散歩なさる時、おはきなさいまし。 と....
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
くぶっ払えと呶鳴りますと、連れの猟師はすぐに鉄砲を取ってどこを的ともなしに二、三
発つづけ撃ちに撃ちました。それから釜の蓋をあけると、女の首はもう見えませんでした....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
な気がしましたので、ついそれきりにしてしまったのでございます。 あくる朝ここを
発つときに、ふたたび松島さんのところへ尋ねてゆきますと、松島さんの部屋には同じ少....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
た。 九月二日。きょうは二百十日の由にて朝より暴れ模様なり。もう思い切って宿を
発つことにする。
発つ前に○○寺に参詣して、親子の新しい墓を拝む。時どきに大粒の雨....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
探した。女はとうとう小田島の鞄の蓋をはね、中を引繰り返した。そして小田島が巴里を
発つ前知人から贈られた缶入りのカキモチを見付けてカリカリ噛み始めた。 ――米のビ....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
国の秋は俄かに寒くなって、けさは袷でもほしいような陽気でした。 お江戸の役者が
発つというので、これまで幾日か白粉の香に酔わされていたこの町の娘子供などは名残り....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
はなかつた。そつちに行つている伜に会いたい一心からであつた。 その部隊が内地を
発つて以来、しばらく消息を断つていた長男の松太が、牡丹江にいるということが、やは....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
みて、その姿を正しく日本の勤労大衆、国民につたえるためであります。私どもが日本を
発つにあたって日本において民主団体、平和団体は日中国交回復の国民大会をひらいて次....
「雨の宿」より 著者:岩本素白
久し振りで京都の秋を観ようと、十月十五日の朝東京駅を
発つ時、偶然会った山内義雄さんから、お宿はと聞かれて、実は志す家はあるが通知もし....