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発展性
「発展性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
発展性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
夜もう帰るの……?」 「京都見物……? 田村で十分。焼けない都会なんていうおよそ
発展性のない所を見物したってくだらないわよ」 「ご挨拶ね」 「うふふ……。それに....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
。そのための実際の計画を考顧しなかったなら、矢張りこの四五人の、それだけで少しも
発展性のない、独《ひと》り角力《ずもう》に終ってしまうのだ。――ところが、実際に....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
う考えは一応いいのだが、さて書いて行くと、自然、イージーゴーイングになって、筋の
発展性に乏しく、テンポに精彩が欠けてくるため、失敗となったことが少くなかった。今....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いに、正確な配列をしているにすぎない。そうだ、まさに正確無類だよ。だから、独創も
発展性も糞もない。第一、ああいう文学に感覚を持てない女に、どうして、非凡な犯罪を....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
の完全であることが欠点となった。あまりに完成せるものは、完成せるが故に、それ以上
発展性がないとの理由から。 「こゝは、津浦線の界首駅から真一文字だ。まず、こゝへ....
「一連の非プロレタリア的作品」より 著者:宮本百合子
プロレタリアートの革命性を具体的にとらえ得さえすれば、作品における主題の積極性、
発展性は革命の進展につれて押しすすめられ得る。この意味でプロレタリア文学および作....
「歌声よ、おこれ」より 著者:宮本百合子
いて人権を確立するだけの力がなかった。ヨーロッパの近代文化が確立した個人、個性の
発展性の可能は、明治を経て今日まで七十余年の間、ずっと封建的な鎖にからめられてい....
「質問へのお答え」より 著者:宮本百合子
うに扱います。 働く婦人自身が結婚までとピリオドをうつ気分には、働きそのものの
発展性がないこと、独立的生計が営めないこと、めいめいが特殊の技術をもっていないこ....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
のである。この運動は物質の歴史的発展の過程から生じて来る。そこで物質のこの歴史的
発展性こそが実は、物質の弁証法だったのである。実際、如何なる運動と雖も時間――そ....
「あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)」より 著者:宮本百合子
旺盛に行っているのに対して、ブルジョア文学は、そのころから不可抗に創造力の衰退と
発展性の喪失をしめしだした。日本資本主義高揚期であった明治末及び大正時代に活動し....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
そこは使われている者の気持を汲んでやらねばならない。むやみに長時間コキ使うことは
発展性のある真面目な社員を逃がして要領のいい人間しか集め得ないで、大局的に非常な....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
界へ精神的拠り所を求めることによって肉体をはなれてしまうと、にわかに近代小説への
発展性を喪失したのも、この野心的作家の出発が志賀直哉にはじまり、志賀直哉以前の肉....
「中毒」より 著者:織田作之助
出して行く代りに、寝床の中で煙草をくゆらしながら、不景気な顔をして、無味乾燥な、
発展性のない自分の人生について、とりとめのない考えに耽っているのである。 そし....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
といつも願っているが、前述のような事情で失望しがちである。だがこの形式は将来十分
発展性のあるものと考える。愛書家も徒に華装ばかりを尊重したがらずに、こうした所に....
「文芸は進化するか、その他」より 著者:平林初之輔
と密接な関係において呱々《ここ》の声を上げたということは、この芸術の将来の無限の
発展性を約束しているように思われる。文学は映画から学ぶ多くのものをもっているが、....