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登
「登〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
登の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
57
セセッション風に出来上った病院。少年はこちらから歩み寄り、石の階段を
登って行《ゆ》く、しかし戸の中へはいったと思うと、すぐにまた階段を下《くだ》って....
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
」
この問答のあったのは確か初日から五日《いつか》目の晩、――カルメンが舞台へ
登った晩である。僕はカルメンに扮《ふん》するはずのイイナ・ブルスカアヤに夢中にな....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
。不安はそれを中心にして、容易に念頭を離れない。そこへ折よく久しぶりで、崋山渡辺
登《かざんわたなべのぼる》が尋ねて来た。袴羽織《はかまはおり》に紫の風呂敷包《ふ....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
ある曇った初夏《しょか》の朝、堀川保吉《ほりかわやすきち》は悄然《しょうぜん》とプラットフォオムの石段を
登って行った。と云っても格別大したことではない。彼はただズボンのポケットの底に六....
「河童」より 著者:芥川竜之介
クを背負い、あの上高地《かみこうち》の温泉|宿《やど》から穂高山《ほたかやま》へ
登ろうとしました。穂高山へ
登るのには御承知のとおり梓川《あずさがわ》をさかのぼる....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
、前田|斉広《なりひろ》は、参覲中《さんきんちゅう》、江戸城の本丸《ほんまる》へ
登城《とじょう》する毎に、必ず愛用の煙管《きせる》を持って行った。当時有名な煙管....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
徒だった「な」の字さんは半之丞と一しょに釣に行ったり、「み」の字|峠《とうげ》へ
登ったりしました。勿論半之丞がお松に通《かよ》いつめていたり、金に困っていたりし....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た、空模様の怪しい午後であった。彼は山の頂きへ来た時、嶮《けわ》しい岩むらの上へ
登って、住み慣れた部落の横わっている、盆地の方を眺めて見た。が、彼の眼の下には、....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
ていても情《じょう》に脆《もろ》い日錚和尚の腹だったのでしょう。和尚は説教の座へ
登る事があると、――今でも行って御覧になれば、信行寺の前の柱には「説教、毎月十六....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
ょいと目蓋《まぶた》を挙げた。
「はい。中隊長は展望《てんぼう》のため、木の上に
登っていられたのであります。――その中隊長が木の上から、掴《つか》まえろと私に命....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
りだった。彼の「日本に於ける三年間」はこう言う一節を含んでいる。――「我我は坂を
登る途中、ナイティンゲエルの声に近い鶯《うぐいす》の声を耳にした。日本人は鶯に歌....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
《にょにん》に愛楽を生じたためしは、古今の聖者にも稀《まれ》ではない。大幻術の摩
登伽女《まとうぎゃにょ》には、阿難尊者《あなんそんじゃ》さえ迷わせられた。竜樹菩....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
風で、読書室になっている。また器械室と小さな標本室もある。さて正面の大きな階段を
登ると、左に準備室があって、その先きに大きな講堂がある。講堂には大きい馬蹄形の机....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
。その結果として、殺すことが犯罪になるのだ。生き物が生れ出ると、われわれはそれを
登記し、名をつけ、洗礼をうけさせる。法律が彼等を引き受ける。このようになると、記....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
もなく足を早めて道を歩いて行きました。 伊作は丈の高い一番丈夫な男だけに、峠を
登る時は、二人から一|町ほども先きを歩いていました。多助と太郎右衛門は、高い声で....