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登記
「登記〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
登記の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藁草履」より 著者:島崎藤村
源は尋ねて見ました。 「私《わし》かね。私は大屋の者《もん》ですが、爰《ここ》の
登記役場の書記に出ていやすよ。私も海の口へはまだ引越して来たばかりで。これからは....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
時呼集の訴えるようなラッパの声で目がさめた。学校の教室と塀一つで隔てて隣り合った
登記所が燃えていた。 三年生はすぐポンプを出して消防に当った。 二年生はあち....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
僕の家の裏には百坪ほどの畑がある。これは、ずっと前から、どうしたわけか僕の名前で
登記されているらしいのだ。そのせいばかりでもないけれども、僕はこの畑の中に一歩足....
「一坪館」より 著者:海野十三
いった。 おかみさんはもちろん承知して、その場で譲渡証を書いてくれた上、土地の
登記について矢口家の弁護士への頼み状までそえてくれた。これが源一が一坪の土地の持....
「酒ぎらい」より 著者:太宰治
も充分に注意した筈である。折返し長いお手紙を、いただいた。それで、わかった。裏の
登記所のお坊ちゃんなのである。固苦しく言えば、青森県区裁判所金木町
登記所々長の長....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
「いえ、それは片手落です」 「おかしいですね。あなたにとっても今日中に一時も早く
登記の手続をすませることが大切ですよ。すると、もう、あなたはここの所有者で、安心....
「米国巡回文庫起源及び発達」より 著者:佐野友三郎
要は左のごとし。 一、補助を受けんとする図書館は、州の監督の下に認可図書館として
登記を受くべし。 二、図書は、館内において閲覧する場合にも、館外携出の場合にも、....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
した。どれでも一ヶ所を見立てて下さい。後々のことも決しておひまはつぶさせません。
登記万端のことなど店のものにいい附けますから」 というような至極自由な話、私もこ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
。その結果として、殺すことが犯罪になるのだ。生き物が生れ出ると、われわれはそれを
登記し、名をつけ、洗礼をうけさせる。法律が彼等を引き受ける。このようになると、記....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
有、いや、昔、殿様か何かの所有だったところを、ぼつぼつ開墾して、その開墾面積だけ
登記しておいたもンだろうから……」 そう聞けばどうやら理窟だけは解った。が、い....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
した。そこで稲村は大村氏にある土地を周旋することになり、大正十二年九月一日の朝、
登記を済ますのだといって大村氏を誘いだしました。 もとより、それは出鱈目であっ....
「城」より 著者:カフカフランツ
しょう。われわれの小さな管理地域の境界は杭で標識をつけてあり、いっさいがきちんと
登記されてあります。所有者の変動はほとんど起こらないし、小さい境界争いなどは自分....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
にては、僧侶その権を有せざれども、結婚の節は戸長役人その寺に臨みて結婚者の姓名を
登記す。ゆえに、これまた役場に届け出ずるを要せず。しかるにフランスにては、結婚者....
「児童の解放擁護」より 著者:小川未明
する者もあって、たゞ一つという訳でなく、所有欲より、すべての山林、畑地の名儀にて
登記し、公然、脱税せるものもあるのだ。かりに、これを借りることも、規律正しく使用....
「父の葬式」より 著者:葛西善蔵
」 いつまでも尽きないおやじの話で、私たちは遅くまで酒を飲んだ。明日はこの村の
登記所へ私たちはちょっとした用事があった。私たちの村はもう一つ先きの駅なのだが、....