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「白い物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白い物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
時は鏡台の前に、お蓮が髪を直していると、鏡へ映った彼女の後《うしろ》を、ちらりと白い物が通った。彼女はそれでも気をとめずに、水々しい鬢《びん》を掻《か》き上げて....
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
でいた。今朝《けさ》妻が抱き起そうとすると、頭を仰向《あおむ》けに垂らしたまま、白い物を吐《は》いたとか云うことだった。欠伸《あくび》ばかりしているのもいけない....
路上」より 著者:芥川竜之介
井さんから、何かと承わって居りました。やはり御創作をなさいますそうで。その内に面白い物が出来ましたら、『城』の方へ頂きますから、どうかいつでも御遠慮なく。」 ....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
中に交った頬被りの三十前後の女房、黄《きいろ》い歯を現わしてゲラゲラと笑い、 「白い物が何でも査公《おまわりさん》なら、俺《わし》が頭の手拭も査公《おまわりさん....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
春といっても此の頃の日はまだ短いのに、きょうは朝から空の色が鼠に染まって、今にも白い物がこぼれ落ちそうな暗い寒い影に掩われているので、取り分けて夕暮が早く迫って....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
ると、人だかりがある。思わずも足を駐めて視ると、何か哀れな悲鳴を揚げている血塗の白い物を皆|佇立てまじりまじり視ている光景。何かと思えば、それは可愛らしい小犬で....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いたような物が見えた。高さ五尺ばかりで、白い。彼は引っ返して刀を取って来て、その白い物を真っ二つに切ると、それが分かれて二つの人になった。さらに横なぐりに切り払....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
、一段踏んで上ると、片側が蘆の茂りで。」 「透かした前途に、蘆の葉に搦んで、一条白い物がすっと懸った。――穂か、いやいや、変に仇光りのする様子が水らしい、水だと....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
常の驚きに打たれた。鏡にうつっている部屋の扉をあけて、音もなく、声もなく、全身に白い物をまとっている婦人の美しい姿があらわれたのである。婦人は憂わしげな、消ゆる....
妖婆」より 著者:岡本綺堂
三人は、路が狭いのと、傘をさしているのとで、自由に身をかわすことが出来なかった。白い物はさきに立っている神南の傘の下を掻いくぐって、二番目に立っている堀口に飛び....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
推薦したかというと、千利休だということである。夫れに関しては次のような極わめて面白い物語がある。 博多の豪商、神谷宗湛に、先祖より家宝として伝え来った楢柴とい....
赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
「あッ」と驚いた忠蔵がヨロヨロと蹣跚くその途端、丸窓の障子に音がして、ヒューッと白い物が飛んで来た。それがお袖の襟上に刺さる。白糸の付いた、木綿針だ! お袖を殺....
経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
次郎の袖をひくと、彼もその正体を見届けようとして、幾たびか提灯を振り照らしたが、白い物の影はもう浮かび出さなかった。 お妻は海にむかって再び手を合せた。 そ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
が明けた。彼は目眩き朝日の光を避けて、岩の蔭を縫って歩いていると、不図我眼の前に白い物の横わっているのを見付けた。 「お葉だ、お葉だ。」と、重太郎は跳って近いた....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
あって、このゲーサルギ・ギャルポを祭る坊さんが居るです。 この関羽の廟の中に面白い物がある。青鬼赤鬼ら地獄の鬼の姿を沢山|拵えて関羽の手下のように飾ってある。....