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白ける
「白ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「おい、阿婆は?」 「もう寐ました。」 「いや、老人はそう有りたい。」 座の
白ける間は措かず、綱次はすぐに引返して、 「姉さんは、もう先方は出たそうですわ。....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
っていますよ。お寺へやった使いの事で、心がお苦しいのでござりましょう。 一座やや
白ける。善鸞黙って考えている。 遊女一 何を考えていらっしゃるの。 遊女二 たい....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
味線の音をさしておくれ。お客様がお寂しげな、座敷が浮かぬ、お見やんせ、蝋燭の灯も
白けると、頼むようにして聞かいても、知らぬ、知らぬ、と言通す。三味線は和女、禁物....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
盞を取って投げると、杯洗の縁にカチリと砕けて、颯と欠らが四辺に散った。 色めき
白ける燈に、一重瞼の目を清しく、美津は伏せたる面を上げた。 「ああ、皆さん、私が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
けはしらばっくれた外交辞令になっている、というのだけのものだから、見ていても存外
白ける。これが七兵衛あたりの役者になると、同じ狸同士でも、そこにはまた相当のコク....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
ら突き飛ばされて、興ざめ顔に黙ってしまった。 傍に坐っていた切波千寿は、一座が
白けるのを恐れたのであろう。取做し顔に、微笑を含みながら、 「ほんに、坂田様の云....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
かく一人で取持って切廻し過ぎるのでかえって人をテレさせて、「椿岳さんが来ると座が
白ける」と度々人にいわれたもんだ。円転滑脱ぶりが余りに傍若無人に過ぎていた。海に....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、吾にもなく、 「弦之丞様! ……」 と呼んでしまった。 そして、飛び離れて
白ける男女を冷やかに見捨てながら、苦しそうに微笑をした。 あれ。そこへ来た女は....