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「白さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白さの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
するとまた不思議なことには、どんな鳥獣《とりけもの》や草木《くさき》でも、笛の面白さはわかるのでしょう。髪長彦がそれを吹き出すと、草はなびき、木はそよぎ、鳥や獣....
片恋」より 著者:芥川竜之介
くらい、聞いていてつまらないものはない。 (そこで自分は、「それは当人以外に、面白さが通じないからだよ。」と云った。「じゃ小説に書くのにも、夢と色恋とはむずかし....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
を見物に行った。工事を――といったところが、唯トロッコで土を運搬する――それが面白さに見に行ったのである。 トロッコの上には土工が二人、土を積んだ後に佇んでい....
女体」より 著者:芥川竜之介
実の形を造っているが、そこを除いては、山一円、どこを見ても白くない所はない。その白さがまた、凝脂《ぎょうし》のような柔らかみのある、滑《なめらか》な色の白さで、....
或る女」より 著者:有島武郎
に違いない。けれども足のほうは反対に恐ろしく冷えを感じた。少しその位置を動かすと白さをそのままな寒い感じがシーツから逼《せま》って来るのだった。葉子はまたきびし....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ないし、水の上に割合に高く現われている船の胴も、木の色というよりは白堊のような生白さに見えていた。そして不思議な事には、波の腹に乗っても波の背に乗っても、舳は依....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ある。しかし結果においてはやはり訳者の力の足りないために、この実に面白い書物の面白さの幾分をも伝え得ないであろうということを考えて切に読者の寛容を祈る次第である....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
。衣紋の正しく、顔の気高きに似ず、見好げに過ぎて婀娜めくばかり。眉の鮮かさ、色の白さに、美しき血あり、清き肌ある女性とこそ見ゆれ、もしその黒髪の柳濃く、生際の颯....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
かしい。行と、かなと、珊瑚灑ぎ、碧樹梳って、触るものも自から気を附けよう。厚紙の白さにまだ汚点のない、筆の姿は、雪に珠琳の装であった。 「あの、どうも、勿体なく....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
も言わせねえ、兄さんと呼べ、との御意だね。 この叔父さんのお供だろう。道中の面白さ。酒はよし、景色はよし、日和は続く。どこへ行っても女はふらない。師走の山路に....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
なる化鳥である。大女の、わけて櫛巻に無雑作に引束ねた黒髪の房々とした濡色と、色の白さは目覚しい。 「おやおや……新坊。」 小僧はやっぱり夢中でいた。 「おい、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
もなしに、小窓の格子から田圃を見ると、月は屋の棟に上ったろう、影は見えぬが青田の白さ。 風がそよそよと渡ると見れば、波のように葉末が分れて、田の水の透いたでも....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
ゃびちゃと潮へ入った。褄をくるりと。」 「危やの。おぬしの前でや。」 「その脛の白さ、常夏の花の影がからみ、磯風に揺れ揺れするでしゅが――年増も入れば、夏帽子も....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
を起して、うそうそと出て来るのを認めた。且つそれが、古綿のようにむくむくと、雲の白さが一団残って、底に幽に蒼空の見える……遥かに遠い所から、たとえば、ものの一里....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
げで、鶴の一声という趣。※き騒いで呼立てない、非凡の見識おのずから顕れて、裡の面白さが思遣られる。 うかうかと入って見ると、こはいかに、と驚くにさえ張合も何に....