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白丁
「白丁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白丁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運」より 著者:芥川竜之介
れ》の外の夕日を眺めながら、それを器用に、ぱちつかせた。その夕日の中を、今しがた
白丁《はくちょう》が五六人、騒々しく笑い興じながら、通りすぎたが、影はまだ往来に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
にも見えません。暗いなかでお神輿の金物がからりからりと鳴る音と、それを担いで行く
白丁の足音がしとしとと聞こえるばかり。お神輿は上の町のお旅所へ送られて、暗闇のな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のであります。 町へ出る時にも、やっぱり米友は烏帽子《えぼし》を冠《かぶ》って
白丁《はくちょう》を着ておりました。それから例の杖に油壺をくくりつけて肩に担《か....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
つしんでいた。
が、今夜、とうとう、辛抱《しんぼう》がしきれなくなって、もう、
白丁《はくちょう》が三本も、そこらにころんでいる。
二
島抜けの法印、破《....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
き惚れているのに。どうでしょう、心なき御輿部屋《みこしべや》の後ろから姿を見せた
白丁《はくちょう》の男が、いきなり長い竿を出して、 「おい、誰だい、そこでピンピ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、高く柳の間に懸った。 紫玉は恭しく三たび虚空を拝した。 時に、宮奴の装した
白丁の下男が一人、露店の飴屋が張りそうな、渋の大傘を畳んで肩にかついだのが、法壇....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
ら、屋台の囃子、姫たちなど、傍目も触らぬ婦たちは、さもないが、真先に神輿を荷うた
白丁はじめ、立傘、市女笠持ちの人足など、頻りに気にしては空を視めた。 通り筋の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
遠慮なく大欠伸をしています。 下には浅黄色《あさぎいろ》の短い着物を着て、上へ
白丁《はくちょう》を引っかけて、大欠伸をした米友は、またきょとんとして大茶釜の光....
「貧乏」より 著者:幸田露伴
可通が、時代のついてるところが有り難えなんてえんで買って行くか知れねえ、ハハハ。
白丁奴軽くなったナ。 「ほんとに人を馬鹿にしてるね。わたしを何だとおもっておいで....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が入りみだれて、舞の庭に立ち上る。狩衣《かりぎぬ》、差貫《さしぬき》ようのもの、
白丁《はくちょう》にくくり袴《ばかま》、或いは半素袍《はんすおう》角頭巾《かくず....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
背けるようにして、客は外の方を視めると、店頭の釜に突込んで諸白の燗をする、大きな
白丁の、中が少くなったが斜めに浮いて見える、上なる天井から、むッくりと垂れて、一....
「初夢」より 著者:正岡子規
あの松の下に蘭があって、その横にサフランがあって、その後ろに石があって、その横に
白丁《はくちょう》があって、すこし置いて椿《つばき》があって、その横に大きな木犀....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
民があったが、世宗王の時彼らの区別を廃し、これを普通民と同じくする為に、これを「
白丁」と呼ばしめた。「
白丁」とはもと普通民の称呼である。ところが世人は、これを「....
「特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
を以てしたと揆を一にするものである。ここにおいてか政府はさらに厳命して、彼らを新
白丁と称することを禁じ、どこまでも
白丁の名称を強行せしめた。しかしながらこれまた....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
騎馬の検非違使志代、これには調度掛、童、放免が各一人、火長代が二人、如木が四人、
白丁が三人従っている。次に騎馬の検非違使尉代が一人、これには舎人がつき、別に前者....