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「白墨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白墨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
寒さ」より 著者:芥川竜之介
い黒板へ公式らしいものを書きはじめた。が、突然ふり返ると、さもがっかりしたように白墨《はくぼく》の欠《かけ》を抛《ほう》り出した。 「どうも素人《しろうと》の堀....
或る女」より 著者:有島武郎
んちゅう》の札がかかっていて、その向かいの左の戸には「No.12 早月葉子殿」と白墨で書いた漆塗《うるしぬ》りの札が下がっていた。船員はつかつかとそこにはいって....
朱日記」より 著者:泉鏡花
の職員室|真中の大卓子、向側の椅子に凭った先生は、縞の布子、小倉の袴、羽織は袖に白墨|摺のあるのを背後の壁に遣放しに更紗の裏を捩ってぶらり。髪の薄い天窓を真俯向....
」より 著者:海野十三
調も緩んだ。丁度二人が目的の部屋の前に来たからである。黒い漆をぬった札の表には、白墨で「病理室」と書いてあった。 ノックをして、二人は部屋の扉を押した。 「や....
骸骨館」より 著者:海野十三
はうんと高く張らなくちゃあね。それから、くぐり戸を入ったすぐの壁に、自分の名前を白墨で書かせようや」 「それもいいなあ。それから地獄の一丁目の舞台だが、何を出す....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
、前と同じで室内には例の赤色灯が点いていた。ただ、顔子狗の斃れていたところには、白墨で人体と首の形が描いてあることが、特筆すべき変り方であった。三千子は、あの日....
怪塔王」より 著者:海野十三
よ。もってかえって、よく研究してみなければならぬ」 そういうと、大利根博士は、白墨をポケットから出して、通風筒の穴のまわりに、丸印だとか三角印だとかをかきまし....
空襲警報」より 著者:海野十三
に詰めては、エッサエッサと夜の町の井戸を探しにゆく。漂白粉をなげこんだ井戸には、白墨で三角印をつけてゆく。……放送を聞いたとたんに腹が痛くなったという者もでてき....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
花模様が入口のまわりを飾っていた。毒々しいネオンサインをくねらせた飾窓の硝子には白墨で「踊り無料」と斜に走り書きがしてあった。之れは巴里祭の期間中これ等の踊り場....
黒百合」より 著者:泉鏡花
帳と、袂草と一所くたに掴み出した。 「これ見い、」 紳士は軽く目を注いで、 「白墨かい。」 「はははは、白墨じゃが、何と、」 「それで、」と言懸けて、衣兜に堆....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
、彼のために幸先のいいように望んだ。 「張った」と、ヘルマンは自分の切り札の裏に白墨で何か印を書きながら言った。 「おいくらですか」と、元締が眼を細くしてたずね....
旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ハンネスの口から、ただひとこと「くつ」とでたとき、お姫さまの顔はさっとかわって、白墨ように白くなりました。そうして、からだじゅう、がたがたふるえていました。けれ....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
半月|形の講壇に上って、ツと身を一方に開くと、一人、真すぐに進んで、正面の黒板へ白墨を手にして、何事をか記すのです、――勿論、武装のままでありました。 何にも....
残された日」より 著者:小川未明
心のうちでそればかり祈っていました。やがてその算術の時間となりました。教師は手に白墨と平素点を記入する手帳とを持って教室に入ってきました。いままでがやがやといっ....
黒板は何処から来たのか」より 著者:小倉金之助
けで教えることも出来なかった。そこでクローゼーは大工と絵具屋に頼み込んで、黒板と白墨を作らせたのである。「私たちが知っている限りでは、黒板の使用はクローゼーに負....