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白夜
「白夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
に水戸の身体に移っていた。時刻は午前二時に近かったろう。夏も過ぎようとする頃で、
白夜が次第に夕方と暁方との方へ追いやられ、真夜中の前後四時間ほどは有難い真黒な夜....
「ピムキン、でかした!」より 著者:宮本百合子
のこっち側では村の女たちが、ちょっと上流のあっち側では村の男たちが、水浴をやる。
白夜でロシアの月は白く、草は青い。裸の人間の体は美しく見えた。 土手へ出るまで....
「おもかげ」より 著者:宮本百合子
哲学がいいというし自分もそう思うが、どうかとあった。その時分まだモスクワにいて、
白夜のはじまりかけた永い夕暮の明るみの中で、朝子は哲学にはすぐ賛成出来ないと、書....
「道標」より 著者:宮本百合子
や暫くかかって、モスク※の一台の辻馬車があらわれた。それは、人も馬も眠りながら、
白夜の通りを歩いてゆく馬車だった。黒い馬が、頸を垂れて挽いてゆく辻馬車の高い御者....
「ヒューマニズムへの道」より 著者:宮本百合子
三月号の『文芸』には村山知義氏が「父たち母たち」という小説を書いている。かつて「
白夜」を書いたこの作者は「思想関係の事件で起訴されたり投獄されたりの間の、自分の....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
作家たちがこのころ追々過去の生活を題材として作品を発表しはじめた。村山知義氏の「
白夜」その他代表的な作品があった。転向文学という独特な通称がおこったほど、当時は....
「昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
甲斐がなかった。 不安と焦燥の気分が文学界を満した。この雰囲気は、村山知義の「
白夜」によって先頭をきられた一系列の作家の作品の出現によって愈々《いよいよ》暗鬱....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
ごいことは、ちょっと形容のことばが見つからないくらいだ。 時は今、極地一帯は、
白夜といって、夜になっても太陽が沈まないで、ぼんやり明るい光がさしているのであっ....
「年譜」より 著者:宮本百合子
弱に苦しんだ。この年はプロレタリア芸術家の転向の問題が注目をひいた。村山知義の「
白夜」その他、運動と個性の分裂をモメントとして権力に屈したインテリゲンチャの告白....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
踊る地平線
白夜幻想曲 谷譲次 秋の静物 旅は、この散文的な近代にのこされたただひと....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
匂いが柔かく濃い闇にあふれます。アコーディオンの音や歌がきこえ出します。そして、
白夜がはじまって、十二時になっても反射光線の消された明るさが街にあって、そういう....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
夏をお過しになれたらと思います。皮膚もサラリとした感じでしょう? そして、又今は
白夜でしょうか、もう過ぎましたろうか、それともその辺は違うかしら。わたしたちの生....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
る。 しかし、黄金郷の所在――そういう世紀的な謎をめぐって、あの、ラショワ島の
白夜を悩まし続けた、血みどろの悲劇を思うと、なんだかこれを、実録として発表するの....
「平塚明子(らいてう)」より 著者:長谷川時雨
となく白いように思われます。その白さも、薔薇《ばら》の白《ホワイト》ではなくて、
白夜、白雨といった感じ、夏らしい清新の感がともなっております。 わたくしは那須....
「国境」より 著者:黒島伝治
「畜生! あいつらのしつこいのには根負けがしそうだぞ!」 ワーシカは、夜が短い
白夜を警戒した。涼しかった。黒竜江の濁った流れを見ながら、大またに、のしのしと行....