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白樺
「白樺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白樺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
てだったのです。僕の後ろにある岩の上には画《え》にあるとおりの河童が一匹、片手は
白樺《しらかば》の幹を抱《かか》え、片手は目の上にかざしたなり、珍しそうに僕を見....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
いているが、ここはもうさながらの冬のけしきで、薄い黄色の丸葉がひらひらついている
白樺《しらかば》の霜柱の草の中にたたずんだのが、静かというよりは寂しい感じを起さ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
が風に吹かれて瓢軽《ひょうきん》な音を立てていた。あちこちにひょろひょろと立った
白樺《しらかば》はおおかた葉をふるい落してなよなよとした白い幹が風にたわみながら....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
の富は主としてその土地にあるのであります、その牧場とその家畜と、その樅《もみ》と
白樺《しらかば》との森林と、その沿海の漁業とにおいてあるのであります。ことにその....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
ラヴァはたちまちにその流れを阻んだ。岩に激してきた水は、焼岳の麓の熊笹をひたし、
白樺の林をひたして対岸の霞沢岳の麓に及んだ。いままでゴーゴーと流れる谷川の水はこ....
「春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
川はだんだん水が減じて、雪は益々谷を埋めて行った。ハシタ沢で昼食をした。これから
白樺も樅もますます太くなって、雪の静けさが林の中に満ちている。谷川の岸の雪は谷の....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
、穢らわし相に下を向いて仕舞った。 (一九〇六年於米国華盛頓府、一九一〇年十月「
白樺」)....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
気持ちのよいところに建っていた。木のおいしげった丘のふもとで、近くを小川が流れ、
白樺の巨木がその片端に立っていた。眠けを誘う夏の日には、生徒たちの課業を勉強する....
「キド効果」より 著者:海野十三
蘇生したような気持になった。殊に列車が博克図を出てからは、窓外にスクスクと伸びた
白樺の美林が眺められ、乗客も乗務員ももう何事も忘れて、貪るように朝の空気を肺臓へ....
「山の湯の旅」より 著者:上村松園
州の山路を登ってゆく気持ちは、なんとも言えませんでした。 ○ 山は、
白樺の林です。なんとも言えない静かな上品さがあるもので、朝の気がその上に立ち罩め....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
たヤツともヤトともヤとも云うと註あり)と云う所の上を過ぎたり。大谷地は深き谷にて
白樺の林しげく、其下は葦など生じ湿りたる沢なり。此時谷の底より何者か高き声にて面....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
の中腹を過ぎると、早川に沿うた連嶺が眼前に展開され、杳かに水の音がきこえる。細い
白樺もチラホラ見える。草山の出鼻を曲ると、やや曇った西の空に、蝙蝠傘を展げたよう....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
凝って出来上ったような、雨飾山ばかりを見ていた。 青木湖を離れると佐野坂、左は
白樺の林、右手は急に傾斜して小さな盆地をなしている。佐野坂は農具川と姫川との分水....
「北穂天狗の思い出」より 著者:上村松園
ほえましい古雅な図である。馬子もちょっと風変りな男であった。馬はゆっくり落葉松や
白樺の林の間をぬって進む。思いなしかわざと意地悪く道の端を歩くかのように、足どり....
「女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
何か言ったり、問うて見たりしたいのを堪えているかと思われる。 遠くに見えていた
白樺の白けた森が、次第にゆるゆると近づいて来る。手入をせられた事のない、銀鼠色の....