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白玉
「白玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
た。それもその筈です。この物語を聞いた日から三日のちにY――の容態は急変して遂に
白玉楼中の人となってしまったのでした。 さて私の永話はこれで終りますが、貴君は....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
売ったものです。水道の水は生温いというので、掘井戸の水を売ったので、荷の前には、
白玉と三盆白砂糖とを出してある。今の氷屋のような荷です。それはズット昔からある水....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
え抜いた。緋の牡丹が崩れるより、虹が燃えるより美しかった。恋の火の白熱は、凝って
白玉となる、その膚を、氷った雛芥子の花に包んだ。姉の手の甘露が沖を曇らして注いだ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
雲低き柳の帳に立って、朧に神々しい姿の、翁の声に、つと打向いたまえるは、細面ただ
白玉の鼻筋通り、水晶を刻んで、威のある眦。額髪、眉のかかりは、紫の薄い袖頭巾にほ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
く池ある処と思うあたりで、小児をあやす、守唄の声が聞えた。……唄の声がこの月に、
白玉の露を繋いで、蓬の草も綾を織って、目に蒼く映ったと思え。……伴侶が非常に感に....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
蛤十ばかり一所に転げて出そうであったが。 舞台に姿見の蒼い時よ。 はじめて、
白玉のごとき姿を顕す……一|人の立女形、撫肩しなりと脛をしめつつ褄を取った状に、....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
横や十文字。 いや、隙どころか、件の杢若をば侮って、その蜘蛛の巣の店を打った。
白玉の露はこれである。 その露の鏤むばかり、蜘蛛の囲に色|籠めて、いで膚寒き夕....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
が閨に隠れて、枕も、袖も見えなんだ。 多一が屏風の外に居て、床の柱の、釣籠の、
白玉椿の葉の艶より、ぼんやりとした素袍で立った。 襖がくれの半身で、廊下の後前....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
優しい、上品な、着ものの上から触られても、毒蛇の牙形が膚に沁みる……雪に咲いた、
白玉椿のお人柄、耳たぶの赤くなる、もうそれが、砕けるのです、散るのです。 遺書....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ぜんの襲着して、藍地糸錦の丸帯。鶸の嘴がちょっと触っても微な菫色の痣になりそうな
白玉椿の清らかに優しい片頬を、水紅色の絹|半※でおさえたが、且は桔梗紫に雁金を銀....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
、女房すこしも不辞、便のう、いかにかと云いながら、やがて後にぞ靠りける、南無妙。
白玉か何ぞと問いし古えも、かくやと思知れつつ、嵐のつてに散花の、袖に懸るよりも軽....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
は真昼のような良い月夜、虫の飛び交うさえ見えるくらい、生茂った草が一筋に靡いて、
白玉の露の散る中を、一文字に駈けて行くお雪の姿、早や小さくなって見えまする。 ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
は女子供も参りまする、夏の遊山場でな、お前様。お茶屋も懸っておりまするで、素麺、
白玉、心太など冷物もござりますが、一坂越えると、滝がござります。そこまでも夜分参....
「多神教」より 著者:泉鏡花
として漲る裡に、秘密の境は一面の雪景。この時ちらちらと降りかかり、冬牡丹、寒菊、
白玉、乙女椿の咲満てる上に、白雪の橋、奥殿にかかりて玉虹の如きを、はらはらと渡り....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
る。また妙に、食ものばかり。土地がらで、鮨屋、おでんはない。飴の湯、かんとう焼、
白玉焼、葛饅頭、粟の餅。……鰌を串にしたのだそうだが、蒲焼など、ひとつずつ、ただ....