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「白痴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白痴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
の盗人の群れにはいったが、それでも苦しい目にあう事は、以前と少しも変わりがない。白痴に近い天性を持って生まれた彼女にも、苦しみを、苦しみとして感じる心はある。阿....
河童」より 著者:芥川竜之介
きない。――すなわち不合理に終始している。 × ボオドレエルは白痴になった後《のち》、彼の人生観をたった一語に、――女陰の一語に表白した。しか....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
たことをひそかに幸福に思っている。 椎の葉 完全に幸福になり得るのは白痴にのみ与えられた特権である。如何なる楽天主義者にもせよ、笑顔に終始することの....
或る女」より 著者:有島武郎
さつ》してまだ何かいいたそうであった。両親を失ってからこの叔母夫婦と、六歳になる白痴の一人息子《ひとりむすこ》とが移って来て同居する事になったのだ。葉子の母が、....
或る女」より 著者:有島武郎
の女の写真を見つめている自分を見いだした。長く長く見つめていた。……そのうちに、白痴がどうかしてだんだん真《ま》人間にかえる時はそうもあろうかと思われるように、....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
妻を見おろすようにしてこうつぶやいた。 「松川農場たらいうだが」 「たらいうだ?白痴《こけ》」 彼れは妻と言葉を交わしたのが癪《しゃく》にさわった。そして馬の....
星座」より 著者:有島武郎
ぼろ袴《ばかま》に眼をつけて、袴ほど今の世に無意味なものはない。袴をはいていると白痴《はくち》の馬に乗っているのと同じで、腰から下は自分のものではないような気が....
高野聖」より 著者:泉鏡花
とくになって、頸脚《えりあし》へ撥《は》ねて耳に被《かぶさ》った、唖《おし》か、白痴《ばか》か、これから蛙《かえる》になろうとするような少年。私《わし》は驚いた....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
か。 初雄 しかりです。――御承知でもあるでしょう、また御承知がなければ、恐らく白痴と言わんけりゃならんですが、この旱です、旱魃です。……一滴の雨といえども、千....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
顔がぼっと出て、髪を黒く、唇を紅く、 「おほほほほほほほ、あはははははは。」 「白痴奴、汝!」 ねつい、怒った声が響くと同時に、ハッとして、旧の路へ遁げ出した....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
して活きているだけでは、世の中が納まらぬ。 入費は、町中持合いとした処で、半ば白痴で――たといそれが、実家と言う時、魔の魂が入替るとは言え――半ば狂人であるも....
南地心中」より 著者:泉鏡花
るものかい。俺が払うな、と言うたかて払え。さっさと一束にして突付けろ。帰れ! 大白痴、その位な事が分らんか。) で、また追立てて、立掛ける、とまたしても、(待....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
ず、極めて生真面目にして、人のその笑えるをだに見しものもあらざれども、式のごとき白痴者なれば、侮慢は常に嘲笑となる、世に最も賤まるる者は時としては滑稽の材となり....
星女郎」より 著者:泉鏡花
して玉としたたる甘露の液と思うのが、実は膿汁といたした処で、病人の迷うのを、強ち白痴とは申されん、――むむ、さようなお心持でありましたか。」 真顔で言われると....
政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
の間にあつて国民の代表であるはずの議員たちは何をするのかというと、一定期間、その白痴的大ドームの下に参集して、もつぱら支配階級の利益を擁護するための悪法の制定に....