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「白白〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白白の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ように、少女の魅力に悩まされ切っているところがあった。 ある朝、馬貫之の犬の『白白』が火のついたように吠えた。 幹太郎は、それで眼をさました。すゞが起きかけ....
旅愁」より 著者:横光利一
た。もう十二時近かった。丁度その時舞台では幕が上り、胃病のマルグリットが明け方の白白した部屋の寝台で眠っていた。真紀子は黙って舞台を見ていたが、 「こんなのもう....
旅の絵」より 著者:堀辰雄
一つの赤ちゃけた小ぢんまりした建物を指さした。その家の上の、煤《すす》けたなりに白白とした看板には、 HOTEL ESSOYAN という横文字が、建物と同じ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
けふはなほ正月七日風空に 凧のうなりのなきが淋しき 風おちぬしづもる屋根に白白と 雪おもしろく月さしのぼる 何の虫のせいかこんなものが出来てお目に....
月光の下」より 著者:田中貢太郎
伴の村の者は、台地の下で悲しみ沈んでいた壮い漁師を見つけて声をかけた。壮い漁師は白白と明けた朝の光が眼に入らないような風で、じっと人びとの顔を見ていたが、 「女....
澪標」より 著者:外村繁
ではない。いわば唯ののっぺらぼうである。が、その婦人の、女の肉体のほんの一部分の白白しさが、突然、途方もなく巨大なものに拡大されて行くのを私は覚えた。 翌日、....
性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
どで、わざわざ娘らしい女の坐った足に躓いて見せて、 「どうも失礼しました。」と、白白しく、しかも丁寧に詫びると、かえって対手が赤くなって、 「いいえ。」と、はに....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
分とは経たなかろう。殊にもこの真向うの姿見、硝子棚、バリカン、廻転椅子、カバーの白白白、立ち廻る理髪師の背広の、ズボンの白、掻き立てなすりつけた客の頬や頤の石鹸....