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白膠木
「白膠木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白膠木の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の神よりも、もっと人格のある大己貴、少彦名の二神の方へ自分を持って行きたかった。
白膠木の皮の燃える香気と共に、護摩の儀式が、やがてこの霊場を荘厳にした。本殿の奥....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のはもはや過去の形見だ。一切の殻が今はかなぐり捨てられた。護摩の儀式も廃されて、
白膠木の皮の燃える香気もしない。本殿の奥の厨子の中に長いこと光った大日如来の仏像....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
行く。
茶の花が咲く。雑木林の楢に絡む自然薯の蔓の葉が黄になり、藪からさし出る
白膠木が眼ざむる様な赤になって、お納戸色の小さなコップを幾箇も列ねて竜胆が咲く。....
「西林図」より 著者:久生十蘭
た感じを起こさせる。 蘆雪《ろせつ》庵の系統をひいているのか、池の汀に紅葉した
白膠木《ぬるで》が一本あるだけで、庭木らしいものはひとつも見あたらず、夕風に揺れ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
いにひとしい。端座してしずかに庭のほうを眺めやると、築山《つきやま》の下に大きな
白膠木《ぬるで》のもみじがあって、風が吹くたびにヒラヒラと枯葉を飛ばす。さながら....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
スタジオのような空虚なようすになった。いままで洋服箪笥のあった壁の上に、芽出しの
白膠木《ぬるで》の葉繁みがレースのような繊細な影を落しているのが、なぜかひどく斬....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
ながら、つぶやくように、いうのである。 「……白い壁、……鉄の寝台、……窓の外の
白膠木《ぬるで》……。なにもかも、むかしのままね。ちっとも変わらない。……ふしぎ....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
験だった。 キャラコさんは、寝台のうえにそっと身体を起こす。窓に月の光が射し、
白膠木《ぬるで》の梢《こずえ》が墨絵のように揺《ゆ》れている。 キャラコさんは....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
軍されましたが、敵勢が盛んなるを御覧になって、仏天の加護を得ずんば願成り難しと、
白膠木を取りて四天王の像を作り、これを頂髪に籠められて、それから馳せ向われたと、....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
で、二夜も三夜も屋外の仮小屋に、親を離れて寝起き飲食するということであった。楊や
白膠木の木を削っていろいろの飾りをつけた祝い棒がこのために銘々に与えられる。それ....