白藤[語句情報] » 白藤

「白藤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白藤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
もあるまい。どうじゃ。頼まれておくりゃれぬか」と、忠通は重ねて言った。 時の関白藤原忠通卿が詞《ことば》をさげて頼むのである。師道はこれに対して故障をいうべき....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
屋の婆さんに訊いて、そこだと教えられた河童の観世物小屋のまえに立って見あげると、白藤源太らしい相撲取りが柳の繁っている堤を通るところへ、川の中から河童が飛び出し....
「旅愁」より 著者:横光利一
、風雨に洗われた柱の木理も枯れ渋った隙を見せ、山道の嫩葉に触れた門から中の方に、白藤の風に靡くのが一本、静に過ぎる晩春の呼吸をしていた。 「まア、ようお帰り下さ....
「白藤」より 著者:宮本百合子
私が結婚して本郷の動坂町に家をもった。そのとき、夫人は大変よろこんで、実に美事な白藤の大鉢を祝って下すった。 房々と白い花房を垂れ、日向でほのかに匂う三月の白....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
に似て鬣髪膝を過ぎ、宛がら竜に異ならず、四十二の旋毛は巻いて脊に連なり、毛の色は白藤の白きが如しと講釈の修羅場では読むという結構な馬に、乗人が乗人ですから、一角....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
覧になりましたかしら。きょう此をかくのは、さっき雨上りの庭へ出て見たら離れの庭に白藤の花が今頃咲き出したのを見つけうれしさに興奮しました。貴方は、私達の祝いに貰....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
二日目か三日目に盲腸を出してしまった。新しい畳は素足に快くふれます。 私たちの白藤の樹ね。あれをちゃんと手入れして美しい花を咲かせたいと思います。今では野生に....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ばなりますまい。このひとは、ああ覚えていらっしゃるでしょう？ 私たちにあの奇麗な白藤の花をくれた夫人です。私たちごひいきのひとです。もうずっと会いたがっているの....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
汰になりましたが、間で、初執筆をして居たので。二通りかけなかったの。 私たちに白藤をくれた古田中夫人（母のいとこ）のこと名だけも覚えていらっしゃるでしょうか、....
「神棚」より 著者:豊島与志雄
た。幾つもみたようだが、ただ一つきり覚えていない。馬鹿に広い綺麗な神棚があって、白藤の花みたいに御幣が一面に垂れてる下で、真裸の子供が幾人も踊っていた。みるみる....
「白藤」より 著者:豊島与志雄
ひっそりしてる人家……それらの中に、一点、桜の花より更に真白なものがありました。白藤の花で、生籬にかこまれたひそやかな家の軒先に、余り長からぬ房をなして垂れてい....
「小説　円朝」より 著者:正岡容
口を小圓太へ差してくれた。寄席のお休みの晦日の晩で、真っ暗な庭のところどころには白藤の花が夜目にも微かに揺れていた。 「ト、とんでもない。もったいないお言葉でご....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
り、かつ銀行に至る。午後、日本商松浦、滝波両店を訪う。当地は桃花すでに散じて、李白藤紫、春栄を争うを見る。夜に入りて、半輪の明月玻窓を照らすあり。しかして月を北....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
となって、遂に東国に割拠する迄の素地を作った。源頼信程のものも、町尻殿すなわち関白藤原道兼の家人として、その主の為に中関白道隆を殺そうとした程であったが、子孫頼....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
慇懃なる消息を通じているのである。また源家の祖先として威名の高かった源頼信も、関白藤原道兼の家人であった。内大臣の地位にいる藤原宗忠すら、関白藤原忠実の家人を以....