白身[語句情報] » 白身

「白身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
気がした。 休養のために、雌魚と雄魚とを別々に離した。そして滋養を与えるために白身の軽い肴を煮ていると、復一は男ながら母性の慈しみに痩せた身体もいっぱいに膨れ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
に大胆に、不羈、専横に、心のままにして差支えない。鱗に、爪に、角に、一糸掛けない白身を抱かれ包まれて、渡津海の広さを散歩しても、あえて世に憚る事はない。誰の目に....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
水底と思ったのは、天地を静めて、車軸を流す豪雨であった。―― 雨を得た市民が、白身に破法衣した女優の芸の徳に対する新たなる渇仰の光景が見せたい。 大正九(一九二〇)年一月....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
りと脛をしめつつ褄を取った状に、内端に可愛らしい足を運んで出た。糸も掛けない素の白身、雪の練糸を繰るように、しなやかなものである。 背丈|恰好、それも十一二の....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
、日の隈幽に、石肌の浮いた影を膨らませ、影をまた凹ませて、残酷に搦めた、さながら白身の窶れた女を、反接|緊縛したに異ならぬ。 推察に難くない。いずれかの都合で....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
えちゃアいけねえよ……何しろ虻が大変で……あゝ玉子焼が出来た、おゝ真白だ」 幸「白身ばかりは感心だ」 由「じア喫ってみましょう………これは恐入ったね、中々柔かで....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
毎朝台所にぶらさがっている。伯母さんは鶏卵《たまご》の黄身《きみ》をまん中にして白身を四角や三角に焼くのが上手だ、駿河台へニコライ堂が建つとき連れてってくれたの....
好意」より 著者:豊島与志雄
頭に浮んだ。今迄の彼の顔を殼のままの鶏卵であるとすれば、今の彼の顔は、殼をはいだ白身と黄身とだけのそれだった。そして私は或る聖い恐れをさえ感じた――臨終にぱっと....
次郎物語」より 著者:下村湖人
彼はみんなにいたわられ、慰められながら、母屋の方に運ばれた。そして取りあえず卵の白身を顔一ぱいに塗られ、その上に紙を張られた。その時になって彼自身も気がついたこ....
家なき子」より 著者:楠山正雄
角へわたしは向かって行くことができる。それはもう子どもは子どもでも、わたしは自分白身の主人であった。 いよいよ流浪の旅を始めるまえに、わたしはこの二年のあいだ....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
ぼんやりと現れている。 鶏卵《けいらん》にたとえていえばちょうど黄身《きみ》も白身《しろみ》もまだ判然と分かれておらぬ程度である。それが月日《つきひ》を経《ふ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ようであった。お侠で、凜としているから、いささかも猥りがましい処がない。但しその白身で、八郎の古家で、薄暗い二階から、銀杏返で、肩で、脊筋で、半身で、白昼の町の....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ない妖怪邸の天井裏にも、ちょっとあるまいと思う陰惨とした、どん底に――何と、一体白身の女神、別嬪の姉さんが、舞台の礫の時より、研いだようになお冴えて、唇に緋桃を....
琥珀揚げ」より 著者:北大路魯山人
ら・すずきのようなさかなである。まぐろとか、ぶりのような脂っ濃いものは適しない。白身のさかなを選ぶがよい。言うまでもなく、えびなどはいつの時期でも適している。つ....
料理の秘訣」より 著者:北大路魯山人
のが質が悪くては、美味いたい料理ができないのは言うまでもない。ラジオでは、よく「白身ならなんでもよろしい」などと平気で言うが、これは恥しらずの言うことであると思....