白黒[語句情報] »
白黒
「白黒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白黒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ふさと下った真黒な潜戸の上の壁に、何の禁厭やら、上に春野山、と書いて、口の裂けた
白黒まだらの狗の、前脚を立てた姿が、雨浸に浮び出でて朦朧とお札の中に顕れて活るが....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
人はいまさら胸のつかえたように打ち語るのであった。けさ分娩したのだという白牛は、
白黒斑のきれいなわが子を、頭から背から口のあたりまで、しきりにねぶりまわしている....
「海底大陸」より 著者:海野十三
んりょになったようでありますが……」 と、論じ来れば、ドリー助教授は自席で目を
白黒してあわてていた。じつは老学者にも、この研究問題は、まだ解けていなかったので....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
っ、あつい、あつい」 「わあ、あつい。助けてくれ」 とでもいうかのように、目を
白黒、からだをゆがめて大地をころがり、どことも知れず、闇の中にみんな姿を消してし....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
と思って、お弁当に持ってきたパンをむしゃむしゃ。それから水をがぶがぶ。そして目を
白黒しながら大急ぎで、お面をもとのようにすっぽり頭からかぶった。 「三根夫さん。....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
か。 袋探偵は呻っている……がそのとき彼は声をあげた。 「あ、これかな」探偵は
白黒表の最後のところのンを指す。第百字目のンだ。「四角の枠の隅っこにンの字がある....
「火薬船」より 著者:海野十三
でつじつまのあう不思議なはなしがあるものだねえ」 これを聞くと、虎船長は、目を
白黒。おもわず両手で椅子からとび下りようとしたが、結局それをあきらめて、 「ふふ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
、この怪塔ロケット隊の指揮権を渡すか」 それを聞くと、怪塔王はびっくりして目を
白黒していましたが、 「さあ、それは――」 と、返答をしぶりました。 「いやか....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
い。といって水は大事にしなければ、この先どんなことになるか分らない。六条は、目を
白黒させながら、これも同様に目を
白黒させて携帯の口糧をぱくついているキンチャコフ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
、村の鎮守さまの方は、あとから俺があやまってやる」 「うへっ、――」と大辻は眼を
白黒させ、 「――では申し上げますが、杉田はいま申しましたとおり、午前十時二十分....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
い。革命党も穏かでない。洋先生といえばあるいはいいかもしれない。 洋先生は眼を
白黒して、ちょうど講義の真最中であったから、阿Qに眼も呉れない。 「乃公はせっか....
「砂書きの老人」より 著者:上村松園
ていた。 別にものを売るのではない。ただ腰に砂を入れた袋をさげていて、その中に
白黒黄藍赤など五色の彩色砂を貯えている。 門前に立っては、もの珍しげによりたか....
「不周山」より 著者:井上紅梅
おるが、あるものはピンと突立ち、あるものはまだ動いている。彼女は、その一つが眼を
白黒してボンヤリと彼女を見詰めているのを認めたが、それは全身を鉄片で包み、顔色に....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
が横浜で赤隊(英国兵)の喇叭を聞いたばかりの時代であったから、満場は面喰って眼を
白黒しながら聴かされて煙に巻かれてピシャピシャと拍手大喝采をした。文部省が音楽取....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
見ても古い戯作の頭ではどう做ようもなく、空しく伝統の圏内に彷徨して指を啣えて眼を
白黒する外はなかった。中には戯文や駄洒落の才を頼んで京伝三馬の旧套を追う、あたか....