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「百方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

百方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
自叙伝」より 著者:大杉栄
みというかを合致させたのは、ほぼこの辺からじゃなかろうかと思う。 そして、もう百方策尽きているところへ、神近から金を送ろうかと言って来た。 「あなたが困るのは....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ほとんどすべてが英米仏露をひきくるめて一概に毛唐人と言っていたような時に立って、百方その間を周旋し、いくらかでも明るい方へ多勢を導こうとしたものの摧心と労力とは....
風流仏」より 著者:幸田露伴
運が笑し気に恋人の住し跡に移るを満足せしが、困りしは立像刻む程の大きなる良木なく百方|索したれど見当らねば厚き檜の大きなる古板を与えぬ。 第九 如是果 ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
ある、有力なる悪霊の集団がそれである。彼等は狡知猾才にとめる邪悪霊を首領と仰ぎ、百方手を尽して、われ等の聖業を阻害せんとしつつあるので、その悪戯は極めて巧妙、そ....
淪落の青春」より 著者:坂口安吾
に駈けこんできて、消しとめた。 正一郎の放火と分り、検事局まで呼びだされたが、百方手をつくして、ともかくカンベンしてもらった。 消防隊と巡査が駈けつけたとき....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
烈な火勢で燃えひろがって処置なかったものらしい。 火事による突風が渦まき起って百方に火を走らせ、発火から二時間ぐらいの短時間で、全被害の九割まで、焼きつくした....
この握りめし」より 著者:岸田国士
前後処理について日本政府も微妙な外交関係の板挟みで困つていたところを、その青年が百方奔走し、個人の資格でやつとそれらのトルコ人を本国まで連れて行き、時のサルタン....
二十一」より 著者:坂口安吾
神経衰弱になった。パーリ語の祈祷文を何べん唱えても精神益※モーローとなり、意識は百方へ分裂し、遂に幻聴となり、教室で先生の声がきこえず幻聴や耳鳴りだけが響くのに....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
あまり面色を土のごとくになしてくちびるをかんでいた。富士男はひじょうにおどろいて百方|辞退したが規律なればいたしかたがなかった。 「ぼくはとてもその任ではないと....
泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
生今回或事業を創始仕り、貴台の技術と経験と人柄を是非必要に感じ、貴台の所在につき百方尋ね居たる有様に御座候。事業の目論見書は別封にて御送り申上げ置き侯共、御一議....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
家は、あるいは窓口に向かって立ち、あるいは高殿に馳せ昇り、外に通ずる廊下に急ぎ、百方怪しい老人の魔法使いをさがしましたが、それらしい者の影もござりませぬ。さがし....
妖怪学」より 著者:井上円了
ども、注意を用うれば想出し得るも、第三の梅吉に至りては久しく面会せざるをもって、百方注意を用うるも想出することあたわず、ほとんど記憶上に消失したるもののごとく覚....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の間に立って調停する楫取役を勤めたのは池辺三山であって、三山は力を尽して二葉亭を百方|慰撫するに努めた。が、二葉亭が自ら本領を任ずる国際または経済的方面の研究調....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
七千八百八十四方マイル、百二十万千七十人 (三) クイーンズランド州、六十七万五百方マイル、四十九万八千百二十九人 (四) サウス・オーストラリア州、九十万三千....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
も、世間がこれを許さない場合が多い。それが習い性となって、今日当局者や有志者が、百方勧誘して彼らを分散せしめようと思っても、彼らは容易に分散しない。実際彼ら自身....