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百草
「百草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
百草の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「単独行」より 著者:加藤文太郎
り計算したるか知らず、地図には一〇一〇八尺なり、社務所にて絵葉書、扇子、御守、御
百草(ダラニスケと同様らしい)を買う。小屋にて焼印を押し泊る。 八月一日(日曜日....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
とっては、この世界につまらぬものは一つとして存在していないのです。「医王の眼には
百草みな薬」です。つまらぬというのは、ものがつまらぬとか、話がつまらぬというので....
「新茶のかおり」より 著者:田山花袋
パッサンのノルマンジイを舞台にした短篇がそれとはなしに思い出される。 府中から
百草園に行くのも面白い。玉川鉄道で二子に行って若鮎を食うのも興がある。国府台に行....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
*
忽然と風の吹く様に来た男は、それっきり影も見せぬ。
百草園
田の畔に赭い百合めいた萱草の花が咲く頃の事。ある日太田君がぶらりと東....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
の菊のようにこう無残々々《むざむざ》と作られては、興も明日《あす》も覚めるてや。
百草の花のとじめと律義《りちぎ》にも衆芳に後《おく》れて折角咲いた黄菊白菊を、何....
「乳房」より 著者:宮本百合子
ひろ子にはまた別の不安もあった。家賃滞納で家主との間に悶着が起っていた。御嶽山お
百草。そういう看板の横へ近頃新しく忠誠会第二支部という看板を下げた藤井は、こまか....
「惜別」より 著者:太宰治
。けれども、それを捜すのに、自分はそんなに骨を折らなくてすんだ。自分の家の裏庭は
百草園と呼ばれて、雑草の生い繁った非常に広大な庭で、自分の幼少の頃の楽園であった....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
立っている。芭蕉翁に、一夜の宿をまいらせたくもある。 みやげ、印伝、水晶だの、
百草だのを売ってる町家に交って、朴にして勁なる富士道者の木彫人形を並べてあるのが....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
問う、伏君曰く、これ土気|上升《じょうしょう》し、草木|萌動《ぼうどう》す。羊、
百草を齧《か》み、鶏五穀を啄《ついば》む。故にこれを殺して以て生気を助くと。元旦....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なんとまあ親切な仕業《しわざ》じゃねえか――昔、支那には神農様というのがあって、
百草の品々を嘗《な》めて、薬を見つけて、人間の疾病を救ったものだが、道益様のなす....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ている上に、この山でなければ見られない花という花がたくさんに咲いています。胆吹の
百草と言いますけれども、
百草どころではありません、五
百草も、千草も、三千草も、花....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ニキュア・セット、コロン水、足煖炉、日章旗、蓄音機、マンドリン、熊の胆《い》、お
百草、パントポン、アドソルピン、腸詰め、卓上電気、その他いろいろ…… という工....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の蓮華のごとくその蓮華の上に菩薩も仏も居られるのである。それからその近所の山には
百草もあればまた極楽世界の三宝を囀る迦陵頻伽鳥も居る。その美しさと言えば
....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
奈良井まで行くとよい。町の四ツ辻だからすぐ知れる所に奈良井の大蔵さんというて、お
百草を薬にして卸している問屋がある。その大蔵さんにわけをいうて頼めば、この人はお....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
りこみ、ほかの四名も、土を払って車座になった。 信心の遍歴にといって、木曾のお
百草問屋の大蔵が、奈良井の本家を出かけてから、ことしで足かけ四年目になる。 彼....