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皆が皆
「皆が皆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
皆が皆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
からない。父も祖父も、あまつさえ義兄弟まで、つまりバシマチキン一族のものといえば
皆が皆ひとりのこらず長靴を用いており、底革は年にほんの三度ぐらいしか張り替えなか....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
た。帝都の秩序は、平時以上に恢復した。涙を流している者は、一人も見当らなかった。
皆が皆、燃えるような愛国心、鉄のような忍耐心を持って兇暴な敵の空襲に立ち向ったの....
「赤外線男」より 著者:海野十三
。三河島にも赤外線男が現われたと、時間と場所とを弁えぬ出現ぶりだった。尤もそれは
皆が皆、本当の赤外線男とは思えず、一寸話を聞いただけで偽赤外線男だと看破出来るよ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
がち訳のわからぬ筋道でもないのであった。 しかし新橋や柳橋に左褄を取るものが、
皆が皆まで玉の輿に乗るものとは限らず、今は世のなかの秩序も調って来たので、二号と....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
く立派だったからですよ。全く鍛練の結果ああなったのですね。ですから只圓が死ぬと、
皆が皆彼の張りの真似をして、間拍子も何も構わないで、ただ死物狂いに張上げるのです....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
「たびたび見ましたよ。」 「わたしも覚えていますわ」と、他の一人が叫んだ。つまり
皆が皆覚えているのであった。 「何しろあの児は軽かったからね」と、彼女は一心に仕....
「辞書」より 著者:折口信夫
氏のような方でも、やはり、いつもよいわけではない。ただ、信頼できるというだけで、
皆が皆まで正しいといえないことになっている。 ともかく、ことばの起源を辞書では....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
こと仰有るのだった。「皆さんもう同じことでございます。五年十年おやりになっても、
皆が皆まで引いた単語が現れてくれるというわけには却々参るものではございません」 ....
「故郷」より 著者:井上紅梅
いたが、これはわたしも知っている。海辺地方の百姓は年じゅう汐風に吹かれているので
皆が皆こんな風になるのである。彼の頭の上には破れた漉羅紗帽が一つ、身体の上にはご....
「無題抄」より 著者:上村松園
います。綺麗な人は得なもので、どんな髷に結っても、どのような衣裳をつけられても、
皆が皆よう似合うのです。 いつでしたか、一度丸髷に結うていられたことがありまし....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
めい五分十分早く店に着くようにして、定刻には店員全部が揃うて仕事にかかり、将来は
皆が皆揃うて成功者となることを希望するのであります。 報恩感謝の念篤きこと ....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
あろうか。だれかがそのうち、ろくなものをこしらえてくれるだろうとのんきに構えて、
皆が皆、自分だけは日本人でないような顔をして「一つもない」をくり返していたのでは....
「想像と装飾の美」より 著者:岸田劉生
などの不自由から、写実の道はどうしても発達し切れないので、強く欲しつつその不足を
皆が皆装飾によって足していた。この意志は日本画の歴史を見ると解ると思う。古でも画....
「雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
かきは誰れも彼れも美人画でなければ夜も日も明けないように思っているのであります。
皆が皆女は美人画が好きだということはありません。それぞれの有ち前の個性から花鳥と....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
いる。 「健ちゃだもの、滅多なことしねッて、わし思ってるわ。んでも淋しいの……。
皆が皆まで健ちゃば見損った、見損ったッて云うかと思えば……。」 「節ちゃ、そう云....