皆無[語句情報] »
皆無
「皆無〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
皆無の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
》れたり、令嬢が運転手に惚れたりするのはなんのためだと思っているのです? あれは
皆無意識的に悪遺伝を撲滅しているのですよ。第一この間あなたの話したあなたがた人間....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
なりを立てながら、眼を射るような日の光の中に勇ましく飛び立って行った。
夏物が
皆無作というほどの不出来であるのに、亜麻だけは平年作位にはまわった。青《あお》天....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
いての説明が不十分であると思う。 答 全くその通りである。私の知識は軍事以外は
皆無に近い。「最終戦争論」は、信仰によって直感している最終戦争を、私の専門とする....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
で及んでいることがわかる。右のような次第で、結局被登録者には退社の自由はほとんど
皆無といってもさしつかえない状態になっている。 しかも右の協定は雇傭に関する相....
「戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
いてはそのようなことはすでに夢となっているだろうし第一もはや工作の余地そのものが
皆無となっているに違いない。 おそらく四月には敵は本土上陸を断行するだろう。し....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
こもる。皆うまいうまいとたべる。 十一月二十四日 ◯ビタミンCの注射液がついに
皆無となったので、やむを得ず探しに町へ出る。 ◯浅草へ初めに行く。三月十日の空襲....
「火星探険」より 著者:海野十三
食堂へ行った。 そこには仲間が集っていた。山木もいた。張もいた。ネッドの顔も。
皆無事であった。運がよかったのだ。ただ張だけが右脚に打撲傷を負っていて、足をひい....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
据置かるる状に椅子に掛く。女房はその裳に跪居る。 美女、うつむきたるまましばし、
皆無言。やがて顔を上げて、正しく公子と見向ふ。瞳を据えて瞬きせず。――間。 公子....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
に書きあらわせない暗夜海上の大惨劇であった。 生存者は幾人あるだろう。おそらく
皆無とこたえるのが、当っているだろう。 汽船ブルー・チャイナ号は、四千人にちか....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
な頬を撫でる。 「私は、黙って懐中を探しました。さあ、慌てたのは、手拭、蝦蟇口、
皆無い。さまでとも思わなかったに、余程|顛動したらしい。門へ振落して来たでしょう....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
自分は菊池寛と一しょにいて、気づまりを感じた事は一度もない。と同時に退屈した覚えも
皆無である。菊池となら一日ぶら/\していても、飽きるような事はなかろうと思う。(....
「カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
ヲ持タナカツタタメ、一千年ノ間カエリミラレルコトガナカツタ。毛筆ニ乏シク、和紙ガ
皆無ニチカイ今日ノ我々ノ実生活(趣味生活ハ問題外)ノドコヲ探シテモモハヤヒラガナ....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
、中にも天狗の話は枚挙するに遑あらねど、何ゆえか山男につきて余り語らず、あるいは
皆無にはあらずやと思う。ただ越前には間々あり。 近ごろある人に聞く、福井より三....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
繞らしたるのみにて糞壺もなければ小便|溜もなく皆|垂流しなり、然れども警察の取締
皆無のため往来の人随所に垂流すが故に往来の少し引込みたる所などには必ず黄なるもの....
「西航日録」より 著者:井上円了
幅およそ三十間くらいに見ゆ。まま四十間以上の所あり。両岸は一面に砂漠にして、草木
皆無のありさまなれども、所々に蓬草の生ぜるを見る。十二日、午後一時イスマイリアに....