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「皆色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

皆色の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
う自然主義の別名が出来る。出歯るという動詞が出来て流行する。金井君は、世間の人が皆色情狂になったのでない限は、自分だけが人間の仲間はずれをしているかと疑わざるこ....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
ずることになった。 私学校の変に次いで、西郷|起つとの報が東京に達すると、政府皆色を失った。大久保利通は、悒鬱の余り、終夜|睡る事が出来なかったと云う。そして....
謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
御注意遊ばさるべくと凜然として言上し、陛下も悚然として御容をあらため、列座の卿相皆色を失ったということである。せめて元田宮中顧問官でも生きていたらばと思う。元田....
上海された男」より 著者:牧逸馬
《くさび》を打って廻った。一度で調子好く打込み得るのは為吉だけだった。感心し乍ら皆色々と彼の経験を尋ねた。歯切れのいい倫敦風《カクネイ》の英語で応答しながら彼は....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
わちこの毒を検するに彩糸を以てす。黒糸を黄化す、青糸を赤変す。綾羅錦繍触るるもの皆色を変ず。粒化して魚目に擬し、陶壺中に鉛封す。酒中神効あり。一|粒の用、命半日....
千世子」より 著者:宮本百合子
のガラスの様になって行くんです、だから感情は益々鋭敏になる筈で、感じる事書く事が皆色の濃い鋭いつっこんだものになって行くんです。従ってかなり古い時に生れた私達に....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
リンいきなり国民文学をつくれ、と云ったのだそうです。そういったって判りはしない。皆色をなしてね、意見らしいものが出ると、同先生が座長に自選していて、そりゃ、君い....
日記」より 著者:宮本百合子
舎くさい、レファインされない感じがしたが、陶器でも気に入ったのは一つもなかった。皆色調のあさっぽい、線の弱いものばかり、それでなければ只やたらに金や銀をこてこて....
木曽御嶽の両面」より 著者:吉江喬松
いた婆さんのことを思い出だした。信濃へはよく飛騨女が流れて這入って来た、飛騨女は皆色が白く、顔立ちが調っている。私の郷里に近い町には廓があって、その廓へは飛騨女....