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皮肉
「皮肉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
皮肉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
すびと》でたくさんじゃ。」と、あざけるように言い放った。
次郎は、このことばに
皮肉な侮蔑《ぶべつ》を感じて、くちびるをかみながら、鋭く平六の顔を見返した。――....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
るからであろう。――
「そうかね。」
鼻の高い、眼光の鋭い顔が一つ、これはやや
皮肉な微笑を唇頭に漂わせながら、じっと呂馬通《りょばつう》の眉の間を見ながら、こ....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
機嫌で結構だね。」
馬琴滝沢瑣吉《ばきんたきざわさきち》は、微笑しながら、やや
皮肉にこう答えた。
二
「どういたしまして、いっこう結構じゃござい....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、楯《たて》を御つきになどなった事は、ほとんど一度もございません。ただ、その度に
皮肉な御微笑を、あの癖のある御口元にちらりと御浮べになりながら、一言二言《ひとこ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
です。」
僕は冷然と構えこんだペップに多少反感を感じていましたから、この機会に
皮肉を浴びせてやりました。
「この国の死刑は日本よりも文明的にできているでしょう....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
世界的なバリトオンだったんだよ。」
彼は僕の顔を覗《のぞ》きこむようにし、何か
皮肉に微笑していた。
「じゃ新聞記者などをしているよりも、……」
「勿論オペラ役....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
は、金襴《きんらん》の袋の口をしめると、脂《あぶら》ぎった頬のあたりに、ちらりと
皮肉らしい表情が浮んだ。
「滄桑《そうそう》の変《へん》と云う事もある。この東京....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
ら人間はあてにならない。」
山川技師は椅子の背へ頭をつけながら、足をのばして、
皮肉に葉巻の煙を天井へ吐いた。
「あてにならないと云うのは、あいつが猫をかぶって....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
かし水責《みずぜめ》や火責《ひぜめ》に遇っても、彼等の決心は動かなかった。たとい
皮肉は爛《ただ》れるにしても、はらいそ(天国《てんごく》)の門へはいるのは、もう....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
身を現わしていた。
「おや、昼寝かえ。」
洋一はそう云う叔母の言葉に、かすかな
皮肉を感じながら、自分の座蒲団《ざぶとん》を向うへ直した。が、叔母はそれは敷かず....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
蟹の一生を例に、善は悪の異名《いみょう》であるなどと、好《い》い加減《かげん》な
皮肉を並べている。三男の蟹は愚物《ぐぶつ》だったから、蟹よりほかのものになれなか....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、静に片隅に蹲《うずくま》って、十六人の女たちの、人目を憚《はばか》らない酔態に
皮肉な流し目を送っていた。
二十七
夜《よ》は次第に更《ふ》けて行った。空....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
売りはしめえ。」
田口一等卒は口を噤《つぐ》んだ。それは酒気さえ帯びていれば、
皮肉な事ばかり並べたがる、相手の癖に慣《な》れているからだった。しかし堀尾一等卒....
「彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
但しどちらも大してはわからざる如し。 十四、どこか若々しき所ある事。 十五、
皮肉や揚足取りを云わぬ事。 十六、手紙原稿すべて字のわかり好き事。 十七、陸....
「滝田哲太郎君」より 著者:芥川竜之介
その時のことは何も記憶に残っていない。 滝田君は僕にその小説のことを「ちょっと
皮肉なものですな」といった。 それから滝田君は二三ヵ月おきに僕の家へ来るように....