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皮肉る
「皮肉る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
皮肉るの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
行くのがいけないの……?」 校長が女教員を説教するような口きかないでよ……と、
皮肉ると、京吉も口は達者で、 「うぶな女教員は、田村をただの料理屋と思ってるから....
「明暗」より 著者:夏目漱石
な」
津田は少し悪い気色《きしょく》を外へ出した。小林は平気であった。
「いや
皮肉るんじゃないよ。実際僕は貧乏の結果そっちの方の眼がまだ開《あ》いていないんだ....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
も近頃勇敢なことです。そして閣下のお望みどおり第十室から奥へ入れましたか」 と
皮肉るのは大臣アサリだった。 「いや駄目だった」 「駄目だということはすぐおわか....
「復讐」より 著者:夢野久作
のですからね。ハハハハハ、こう云っちゃ失礼かも知れませんが……」 健策は相手を
皮肉るでもなくこう云って笑うと、思い切って大きな欠伸を一つした。硝子窓越しにチラ....
「惜別」より 著者:太宰治
てこすりだったのだ。そこには藤野先生も周さんもいるから、試験問題の「漏洩」を暗に
皮肉るつもりで、矢島が卑屈の小細工をしたのだ。それに気がついたら、むっとして来て....
「潮風」より 著者:豊島与志雄
い。そこで俺は見かねて、「金でも儲けなさい。」と二人の心に囁きこんでやった。俺は
皮肉るつもりだったんだ。ところが、それが皮肉どころか、二人の最後の逃避所となって....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
ばかり食わせる下宿が何処にあるもんか。 A 安下宿ばかりころがり歩いた癖に。 B
皮肉るない。今度のは下宿じゃないんだよ。僕はもう下宿生活には飽き飽きしちゃった。....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
るのかしら」 「ナニ、長平さんにはお金いらずのプレゼントがあるのさ」 と青木が
皮肉ると、 「ヤキモチヤキね」 横目で睨んだ。記代子のキゲンは直っていた。 ....
「巷談師」より 著者:坂口安吾
の巷談に説く必勝法には同感していないのである。さりとて反駁するわけでもなく、又、
皮肉るような悪意はミジンもない。つまり彼らは私を親友として扱ってくれているのであ....
「土の中からの話」より 著者:坂口安吾
大事の時にも慌てず騒がず、こうして物をつかんでいらっしゃる、と言っておだてながら
皮肉る言葉がつけたしてあるのだ。 地頭は到るところの土をつかめ、というのは愛嬌....
「ふるさとに寄する讃歌」より 著者:坂口安吾
、行き交う全ての女を見た。行き過ぎてのち、あれがその人ではないのかと、半ば感情を
皮肉るように、私は常に思い込もうとした。私は腹の中で笑った。私は、かたくなに振り....
「リラの手紙」より 著者:豊田三郎
ているなと感じ、殊更に冷淡に構え、虚勢を張っていると、着換えに押入を開いた青江は
皮肉るように久能を見くだして、あなた、何かさがしたんじゃない? というので、久能....
「三国志」より 著者:吉川英治
の廃立を議するとは何事だ。おそらく、纂奪を企む者でなくば、そんな暴言は吐けまい」
皮肉ると、董卓は、 「だまれっ、われに反く者は死あるのみだぞ」 繍袍の袖をはね....
「所謂批評の「科学性」についての考察」より 著者:戸坂潤
だと云って非難される時もそうだ。更に又、科学的批評一向「科学的」でない、と云って
皮肉る場合もそうだ。世間では何によらず科学的であるとでもいうような、周章てた常識....