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「皮肉屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

皮肉屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:ゴーゴリニコライ
辛辣な皮肉を浴びせるものだから、彼はよく、【ふん、何を言ってやがるんだい、ケチな皮肉屋め!】と応酬したものである。で、彼は途々《みちみち》、【もし、奴さんがこの....
野分」より 著者:夏目漱石
た。 高柳君は口数をきかぬ、人交《ひとまじわ》りをせぬ、厭世家《えんせいか》の皮肉屋と云われた男である。中野君は鷹揚《おうよう》な、円満な、趣味に富んだ秀才で....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
と思っている。少なくとも優れた弁証法家の多くは真面目なユーモリストであり、辛辣な皮肉屋であったことが事実であるようだ。 (一九三三・五) 14 シェストーフ的....
変った話」より 著者:寺田寅彦
うと風邪を引く話 昔、自分の勤めていた役所にMという故参の助手がいた。かなりの皮肉屋であったが、ときどき面白い観察の眼を人間一般の弱点の上に向けて一風変ったリ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
張るのもありました。 そのほか、折助のうちには、なかなかの批評家もおりました、皮肉屋もおりました。今日のような時には、その連中はじっとしていられないのでありま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぐい》にまで及んでいることを見ないわけにはゆきますまい。それとまた一方に、一茶を皮肉屋の親玉のように見ている人もあります。つむじ曲りの、癇癪持《かんしゃくも》ち....
虎狩」より 著者:中島敦
黙って水面を眺めるばかりだった。が、それでも私は何かしら心の中で嬉しかった。あの皮肉屋の、気取屋の趙が、いつもの外出《よそ》行きをすっかり脱いで――前にも言った....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
はいさゝか酒乱で、泥酔すると、狂暴になるとき、陰鬱になるとき、センチになるとき、皮肉屋になるとき、意地悪になるとき、色々で、然し酔つ払ひはみんな大言壮語、自慢を....
北村透谷の短き一生」より 著者:島崎藤村
のには、私の好きなものが沢山ある。意地の悪い鳥が来て高い梢の上で啼くのを聞いて、皮肉屋というものが、文壇にばかりいると思ったら、こんな処にもいた、というような事....
役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
いうものと大きくあきらめて、長いものには巻かれるほかないと考え、また彼らのうちの皮肉屋は、冷眼をもって「役人」と「国家」とをながめて、これに嘲罵と皮肉とをあびせ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
たくないとも思います」 私が云うと老人は嗄がれた声で笑ったが、 「君はなかなか皮肉屋だね。ところで君のその言葉の、意味の説明を聞きたいものじゃ」 「これという....
大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
などといやらしい紋切型言葉だが)の煙草があるか、想像も出来ないくらいだ。 ある皮肉屋が言っていた。 「近頃刻み煙草の配給しかないのは、専売局で盗難用の光やきん....
贋物」より 著者:葛西善蔵
て、林檎や葡萄の畠を世話していた。彼女はちょっと非凡なところのある精力家で、また皮肉屋であった。 「自家の兄さんはいつ見ても若い。ちっとも老けないところを見ると....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
として四人の秘書を使うほどになった。四人のうちには智謀のヘンリイ・ウォットンや、皮肉屋のヘンリイ・カッフがいた。女王はたちまち、外交問題の論議に際して彼が持つ自....
はつ恋」より 著者:神西清
った。それは、彼女の言い草に従えば、空気を清めるためだった。 次にルーシンは、皮肉屋で、露骨な毒舌をふるう医者だが、彼女というものを一番よく見ており、また誰よ....