» 皺ば

「皺ば〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

皺ばの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
をもった神楽《かぐら》歌が唱い出され、それがもの恐ろしくも鳴り渡っていった。老い皺ばった教主のくらを先頭にして、長男の十四郎、その側《かたわら》に、妙な籠《かご....
苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
して何か言った。女はそれを俺に示して、テーブルの上の銅貨を拾ってみせた。 俺は皺ばんだ紙幣をベットの上にひろげて、女にいいだけ取れと手真似した。 女は時計を....
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
かったからな。若い者には美人が一番よく眼につくようだて」と皺《しわ》だらけの顔を皺ばかりにしてからからと笑った。 「どんな顔ですか」 「どんなと云うて別に形容し....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
しい十二畳だった。 一四 木口こそ真新しいが、殺風景な客間に導かれたお初、皺ばんだ着物をいくらか苦にして、すんなりと坐ったが、相手は、そんな細かしいところ....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
草は紫ばんだ脱腸を垂らし、緑の水苔で美しく装われている暗礁も、まるで、象皮腫か、皺ばんだ瘰癧のように思われるのであるが、そうして色がしだいに淡く、視野がようやく....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
れた作品である。おおよその人が老年になって、往事を無邪気に顧みて、ただそれなりに皺ばんだ口辺に微笑を湛え得るならば、それでも人生の静かな怡楽が感ぜられもし、また....