皺苦茶[語句情報] » 皺苦茶

「皺苦茶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

皺苦茶の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街底の熔鉱炉」より 著者:佐左木俊郎
? それが馬鹿らしいというのさ。あの人に言わせると。――ねえ、房ちゃんも、あんな皺苦茶婆《しわくちゃばあ》さんに頭を刎ねられているよか、自分で、個人経営にしちゃ....
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
たらさぞ愉快だろう。いくら景色がよくっても野だなどといっしょじゃつまらない。清は皺苦茶《しわくちゃ》だらけの婆さんだが、どんな所へ連れて出たって恥《は》ずかしい....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
寿命を予算している。「失敬な、――甘木さんへ行って聞いて見ろ――元来御前がこんな皺苦茶《しわくちゃ》な黒木綿《くろもめん》の羽織や、つぎだらけの着物を着せておく....
野分」より 著者:夏目漱石
《い》いよ」 「袴《はかま》は」 「袴は木綿《もめん》じゃないが、その代りもっと皺苦茶《しわくちゃ》だ」 「要するに僕と伯仲《はくちゅう》の間か」 「要するに君....
浮浪漫語」より 著者:辻潤
相談かも知れない。しかし、僕はそういう女性を見出す迄は頭髪が悉く白くなり、顔面が皺苦茶になり、身体が痩せさらばえるまで、この地上を七転八倒しながら、呻吟《うめ》....
鉄鎚」より 著者:夢野久作
ら次に冠らせられた。それにつれて本箱の抽斗《ひきだ》しに突込んだままになっていた皺苦茶の紙幣や銀貨の棒がズンズンと減って行った。 私と彼女とが同じ家に這入る事....
苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
なかった。人知れず彼女は子持地蔵に願をかけていた。その時分は、まだ若く今のように皺苦茶な梅干婆ではなかった。 彼女はある雪の晩に、貰い風呂から帰る途で、暗い地....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
山のぼりの道中で、晴らさなけりゃあならないのだ。お前はこれからどうあっても、この皺苦茶《しわくちゃ》の扮装《なり》のままで、三斎屋敷に駆け込まなけりゃあ駄目なの....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
だの候といったって断然ダンチの時代遅れである。時は血腥い維新時代である。おまけに皺苦茶の婆さんだからたまらない。 わが奈良原到少年はその腕白盛りをこの尖端婆さ....
お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
さいますよ。 私見たいに老耄《おいぼれ》ちゃもうお仕舞いですよ、ほんとうに、皺苦茶苦茶で人間だか猿だか分りゃあしない。と云い云い二人の娘を見た眼には明かに憤....
奇巌城」より 著者:菊池寛
ェーブル伯爵邸の前で判事に逢った。判事は何もくわしいことは知らないといった。ただ皺苦茶になった破れた紙片をボートルレに渡した。それは血染の襟巻が捨ててあったとこ....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
荘にドーブレクを尋ねて参りまして、ふと書斎の卓子の下の屑籠の傍へ投げ出されあった皺苦茶の手紙の片端を見ましたので、何心なく拾い上げて読みますと、自筆の覚束ない英....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
これには犬も一驚したらしい。眼玉を剥いて、眼ばたきを怺えて見せる。目や鼻や口を、皺苦茶に寄せて見せる。長いベロを伸ばして、鼻の頭まで届かせて見せる―― そのう....