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盗る
「盗る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盗るの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「式部小路」より 著者:泉鏡花
剃った痕に皺のまじった眉を顰め、 「お互ッて、じゃ今来た愛吉ッてのもちょいちょい
盗るの。」 「いずれ、そりゃね。」 「気味が悪いね、じろりと様子を見ていずれ後程....
「海底大陸」より 著者:海野十三
すって。海賊団がメリー号をうち沈めたのですか」 「いや、海賊団はメリー号の財宝を
盗るのが目的だから、沈めないで、どこかへつれていったと思います。もし沈めたとする....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
信家の烏啼天駆が、こんどばかりは困り果ててしまった。散歩者の胸の中から心臓を掏り
盗る技術も持っているし、一夜のうちに時計台を攫っていってしまう特技もある怪賊烏啼....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
。私は生れつき個人主義的アナキストだ。しかしプルードンの言うように、『富むことは
盗ることなり』と解することは出来ない。私の家は私の身体の付属物であって、決して泥....
「出世」より 著者:菊池寛
たのに違いなかった。困っている俺にとっては、あんなに大切のものを、ほんの出来心に
盗るやつがあるかと思うと、譲吉は何となく腹立たしかった。 が、丸善にでもあれば....
「南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
のだから、それ以外には考えられないじゃないか」 「大金持の令嬢が、人を殺して物を
盗る必要はないじゃないの」 「オレも、それを考えたのだ。しかし、お前が、それほど....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
た。 梅「す……はてな……何だろうか知ら、気味の悪い奴だ、どうして賊が入ったか、
盗るものもない訳だが……己を殺しにでも来た奴か知らん」 とそこは若いけれども武....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
さったので」 ふみ「はい、零落まして車を挽いて居りました」 三「車夫を殺して何も
盗る訳もないのですからな、何うも中に筒ッぽの古いのが丸めて這入ってるだけですから....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
き》りというやつがいる、人が井戸ん中へ入ってる時でもなんでもかまあずに、人の物を
盗るような火事場泥棒がいる」 米友はこう言って、見物にスリと泥棒とを警戒したつ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を蒙《こうむ》る分には、これまた止むを得ないかも知れないと思っているが、人の物を
盗るなんぞということは、以ての外だ、そのぬれぎぬを着せられたために処刑を受くるの....
「金狼」より 著者:久生十蘭
さいよ。あたしあ、……あかにしだが、これで、いちめん純情なところもある男さ。……
盗るわけがあって盗ったのなら、密告の返せのといいやしない。ただねえ、白ばっくれて....
「とも喰い」より 著者:本庄陸男
の度に女は細い、だが力を込めた声で呼ばった。 「父《とう》はん、離れずにお呉れ。
盗るんじゃない、借りるんじゃ。離れんとお呉れ――」 腰から下は雪に埋まった男も....
「夜の靴」より 著者:横光利一
だが、ほとんど釣れたことがないに拘らず、餌の海老ばかり買っては盗られている。魚が
盗るのか、人が
盗るのか、答えはいたって不明瞭なので、ある夜、私はこれを煮て食べて....