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盗品
「盗品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盗品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「反戦文学論」より 著者:黒島伝治
迫りつゝある戦争は、どういう性質のものであろうか。 こゝに、泥棒と泥棒が、その
盗品を一方が少く、他方が多いのを理由に又、奪い合いしたらどうであろう。如何に少い....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
るまで発見せられなかったことを非現行盗の要件とし、第四説は、犯人が偶《たまた》ま
盗品を所持している際に発見逮捕せられた場合には、これまた現行盗であるとしておった....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を告ぐるを聞いて初めて暁《さと》り大笑いした。その間に猴|素迅《すばや》く頬嚢に
盗品を抛《な》げ込みたちまち籃を遠ざかる。たまたま一童強くその尾を牽《ひ》いたの....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
の見栄えのしない油絵の紛失について、一向驚いていないように見えた。そればかりか、
盗品のかわりに、同じような別の油絵が額縁の中にはいっているんだから、ここの主人公....
「不動像の行方」より 著者:田中貢太郎
聞くふたたび返せ沖つ白波」と、云う和歌を書いて村の人の一人に与えた。こんなことで
盗品が返ってくるなら、警察に和歌係を置いてさしずめ桂月翁を課長にするだろう。 ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
めて金網が張りわたされていたという事実がある。それはあたしも子供心に知っていた。
盗品をおそれるのだといったが、それならば台所の窓にまでしなくってもよいはずである....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
口の奥は驚くべき秘密を有して、滝太郎が富山において、随処その病的の賊心を恣にした
盗品を順序よく並べてある。されば、お雪が情人に貢ぐために行商する四季折々の花、美....
「チャアリイは何処にいる」より 著者:牧逸馬
さない。これは法学者の謂《い》う compounding a felony ――
盗品の買いあげもしくは返還賠償《へんかんばいしょう》の条件付きで犯人を赦免《しゃ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
そなえた醜い囚人ジャン・ヴァルジャンの方は、手に杖を握り、胴に仕事着をまとい、窃
盗品でいっぱいになってる背嚢《はいのう》を背に負い、決然たるしかも沈鬱《ちんうつ....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
ない。 家宅捜査は保久呂湯からはじまって全戸に及んだが、一度ではすまなかった。
盗品を発見するまで何百ぺんでもくりかえすと彼は宣言したのである。宣言通り実行した....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、それは現在は母里家に所蔵されているのが好事家間には分っているのだそうだ。それで
盗品ではないかと云って届けがあった。それが昨日のことで、今朝浅草の警察からこッち....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
使の一色又六にかかったのです。そして彼は数日後横浜で捕われたのですが、すでに彼は
盗品の仏像を所持しておりませんでした。彼の申立てによると、外国人に売ったというの....
「南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
れていた。和服姿で、すこしも取り乱したところなく、眠るように安らかに死んでいる。
盗品がなければ、むしろ自殺と考えられるような死に方であった。 ところが、奈々子....
「女強盗」より 著者:菊池寛
そうである。そこで、覚悟をきめて、強盗の仲間のような顔をして、強盗について行き、
盗品をわけるところへ行って、強盗の顔を見定め住家もつきとめてやろうと云う気になっ....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
どうかするとダイアの密売者とうたがわれたり、また二三の不謹慎な業者は、彼のことを
盗品故買者だと蔭でささやいたりする。でもサイラスはにこにこ笑いながら自分の道をす....