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「盗心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盗心の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
闇夜の梅」より 著者:三遊亭円朝
又手前の兄|三次郎《さんじろう》と云う者は、何ういう因縁か、十一二歳の頃からして盗心《とうしん》があって、一寸《ちょっと》重役の家《うち》へ遊びに行っても、銀の....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
。これが世間にもざらにある安物の駄雛でござりましたら、ねらってすり替えようという盗心も起こりますまいが、天下に指折り数えられるほどの名品とすれば、ほしくなるのが....
あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
、それをものの見事に盗み取った。その人は彼の考えを横領してしまった。その人は彼の盗心を盗み去った。そうして彼は二重に苦しまなければならなくなった。何故であろう?....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
つつしみ》なく物いひ過すは、親類とも中悪く成り家乱るゝ物なれば去べし。七には物を盗心《ぬすむこころ》有るを去る。此七去は皆聖人の教也。女は一度嫁して其家を出され....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
事業をしておられるのに、潮湯治客の金や持ち物を、こそこそ盗むというような、小さい盗心を蔵している輩を、附けて置くのはよくないからな。 館林様には六人男どもが、....
日記」より 著者:宮本百合子
振舞いが解せない。よくよく事情を尋ねて見ると、彼は斯う答えた。 「私は、始めから盗心があって斯様なことを仕たのではありません。この両三日、まるで食うものが絶え、....
奉行と人相学」より 著者:菊池寛
た。 笞刑などは、当時は、現代の執行猶予くらいの恩典だった。 が、隠徳の相と盗心の相とは、両立するものと見え、木鼠長吉は、改心しなかった。すぐまた盗賊稼業を....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
、前代未聞の名臣とて一藩中の評判なれども、その実はわずかに銭を盗まざるのみ。人に盗心なければとてさまで誉《ほ》むべきことにあらず。ただ偽君子の群集するその中に十....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
父は児の手の化ものを見ると青くなって震えた。小遣銭をなまで持たせないその児の、盗心を疑って、怒ったよりは恐れたのである。 真偽を道具屋にたしかめるために、祖....
すべての芽を培え」より 著者:和辻哲郎
に対しても、十分のびるだけの滋養を与えなくてはなりません。時には残忍とか狡猾とか盗心とかいうものに対してまでも滋養を与えなくてはならないかも知れません(しかしこ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
も分る。 平民はその容貌、品格等が卑賤でありますけれども、その性質はやや正直で盗心が盛大でない。平民はどんな貧乏に陥ってもし乞食になったところが大抵彼らは盗み....