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盗癖
「盗癖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盗癖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「風の便り」より 著者:太宰治
まったのだと、なぜだか電光の如くきらりと思い込んでしまいました。きっとあの人には
盗癖があって、拾っても知らぬ振りをしているのだ。あんな淋しそうな女には、意外にも....
「ロマネスク」より 著者:太宰治
屑屋から教わり、一冊二冊と持ち出し、六冊目に父に発見された。父は涙をふるってこの
盗癖のある子を折檻《せっかん》した。こぶしでつづけさまに三つほど三郎の頭を殴り、....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
なって、自分の採るべき処置を考えた。天才と病的性格ということを、彼は思い出した。
盗癖のある青木が、そうした欠陥にもかかわらず、輝いた天分を持っている。青木の、こ....
「秘密の風景画」より 著者:佐左木俊郎
私服にて張り込み中の○○署杉山刑事に捕えられ、直ちに引拉《いんら》された。犯人は
盗癖を持つ良家の令嬢のようでもあるが、一時に三個を窃取した点から推して、いつも同....
「「紋」」より 著者:黒島伝治
を食わさんのじゃろう。」 「あしこの茂公は、ほんまに油断がならなんだせにんの。」
盗癖のために村にいられなくなって、どこかへ出奔して、十数年来頼りがない茂吉という....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
サモア人は概して慇懃《いんぎん》で、(常に上品とはいえないにしても)穏和で、(
盗癖を別として)彼等自身の名誉観を有《も》っており、そして、少くともダイナマイト....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
衛も今はそれを考えて、空恐ろしくなったもののようです。 その持って生れたような
盗癖を別にしては、七兵衛は、むしろ律義《りちぎ》な男です。 昨晩、江戸城内を抜....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
それらしい人の当りのつかないというところはありません。それというのは、一つは天性
盗癖ある者は、同時に機敏な探偵眼をも備えていて、七兵衛の追い方とたずね方が要領を....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
っているではないか。それだけの甲斐性もないオヤジの子供だから、盗みをする。どうせ
盗癖のある子なら、大阪にはスリの学校というのがあるそうだから、そこで修業させて、....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
り免れしめるように心掛けているのであるが、無論ごく稀にではあるが、少年店員の中に
盗癖という悪癖を持っているものあるを見出すことがある。何という嘆かわしいことであ....
「死屍を食う男」より 著者:葉山嘉樹
いて考えたが、どうしても、彼が恋人を持っているとは考えられなかった。それなら……
盗癖でもあるのだろうか? だが、深谷は級友中でも有数の資産家の息子であった。そ....
「犯人」より 著者:坂口安吾
は、発見者の仁吉という少年が再び取調べをうけた記事がでていた。 仁吉は浮浪性と
盗癖があった。また平気でウソをついた。中学一年の筈であったが、小学校を卒えてから....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
、きっと親子揃ってお詣りにやってくるのであった。そして二人とも揃いも揃った一種の
盗癖をもっていたのである。中婆さんはいつも手近に落ちている銅貨をたくみに膝頭に敷....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
春樹は風采も立派、学校の成積も良く、才物であったが、どういうものか、幼少の頃から
盗癖があった。が、彼に云わせるとこうだ。世間の人は皆間抜けで、馬鹿揃いだ。すきだ....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
巧妙過ぎる、先天的の不良だからです。 日頃蔑んでいる平民の娘の生んだ子が不良で
盗癖がある、しかもそれは血統だとあっては私の救われる道はありません。公高のおかげ....