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「盛況〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盛況の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
火《のび》のような勢いで全国に広がり始めた赤十字社の勢力にもおさおさ劣らない程の盛況を呈した。知事令夫人も、名だたる素封家《そほうか》の奥さんたちもその集会には....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
鶴子を見た途端、慾も得も忘れてしまった。いや、それを想い出したところで、客止めの盛況を見ては、文句のなかったところだ。 「良え女子《おなご》を入れてくれたな」経....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
るよりも急速度で進行した。科学研究は現在その盛花期にあって、いかなる過去における盛況でも到底これとは比較することさえできない有様であるから、これはもとより当然の....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
マツ曲馬団の更生興行は、意外にも、たいへんな人気をよんで、場内は毎日われるような盛況であった。 団員は、だれもかれも、えびすさまのように、大にこにこであった。....
貞操問答」より 著者:菊池寛
ンが一人はいり、二人はいり、ソファと椅子とに坐り切れず、予備の小椅子まで持ち出す盛況であった。 手伝いに来ただけの美和子が、一番大車輪で、お客の註文など、一つ....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
つも歌つて調子はずれは困る。というふうにいつてくると、もうそれだけで落第者続出の盛況である。 舞台のほうでは普通に口がきけるようになるには五年以上かかるものと....
アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
延の興行であり、若い男女の事務員達が、嬉々として二十五円の入場料を払い大衆支持の盛況を呈していることは、帝劇買収当時の理想から見て、何という皮肉な現象であろう。....
印度の詩人」より 著者:国枝史郎
を書くべく、会場に出張し、鉛筆を嘗めていた。会場は文字通り立錐の余地のないほどの盛況であった。 タゴールは、白色の長い印度服を着白のターバンを捲き、悠然と壇上....
昔のことなど」より 著者:上村松園
た会で、殊に新年大会には皆きばって出品され、階上も階下も一杯掛け並べられるという盛況でした。その頃松年塾は斎藤松洲という人が塾頭でしたが、大会の翌日塾で皆が寄合....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
れは大洪水であった。土間も高土間も桟敷も、人を以て真っ黒に埋められている大入りの盛況に、わたしは少し呆気に取られた位であった。 中幕には彼の「水滸伝雪挑」が初....
西航日録」より 著者:井上円了
地にありて、実に枢要の港口なり。万国の船これに出入し、万国の人ここに輻湊し、その盛況これを十四年前に比するに、ほとんど別天地の観あり。その地赤道に接すといえども....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
送られて少しく揺動す。しかれども、マニラ行の一等船客多数に入乗せるをもって、船中盛況を現す。 十五日、晴れ。暁来、暑気大いに加わる。風静かに波穏やかなるも、シ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
庁のお役人は来る、新聞記者は騒ぐ、それに軍人、商人、何々団員で、すっかり満員の大盛況で、実は家内中へとへとになったところで、今朝の切り込みで、それで見事にスカ喰....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
今では牛込名物の一つとなった観があり、この頃は天気さえよければいつも押すな/\の盛況で、私も時々気まぐれに子供を連れて漕遊を試みることがあるが、罪がなくて甚だ面....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
の隣には宝来というパン屋あり、その向いには銀座パンという家がある。殊にこの宝来の盛況はめざましいものである。夕方会社の引け時頃になると、省電を越えて郊外に待つわ....