»
目
「目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
《とほう》に暮れたように佇んでいる。父親の姿はどちらを眺めても、生憎《あいにく》
目にははいらないらしい。少年はちょっと考えた後《のち》、当《あて》どもなしに歩き....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
もう》した。甚太夫は竹刀《しない》を執《と》って、また三人の侍を打ち据えた。四人
目には家中の若侍に、新陰流《しんかげりゅう》の剣術を指南している瀬沼兵衛《せぬま....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
道徳を体現した満足をも、同時に味う事が出来たのである。しかも、その満足は、復讐の
目的から考えても、手段から考えても、良心の疚《やま》しさに曇らされる所は少しもな....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
さんの顔を見上げました。 「よし、よし、そう私を莫迦にするんなら、まだお前は痛い
目に会い足りないんだろう」 婆さんは眼を怒らせながら、そこにあった箒をふり上げ....
「狂女」より 著者:秋田滋
いことに業を煮やして、病気のことを訊いてみた。すると、この家の主婦は悲しい悲しい
目にあったことが因で、十五年このかた、ああして寝たッきりであるという返事。しかし....
「墓」より 著者:秋田滋
四囲に気をくばりながら戸外へ出た。 すると犬は、ボネエ将軍路のほうを指して、一
目散に駈けて行ったかと思うと、トモアゾン夫人の墓石のそばのところで、ピタリと停っ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
駆って、われと我が命を断たしめるのは、いかなる深刻な懊悩、いかなる精神的苦痛、傍
目には知れぬ失意、劇しい苦悶がその動機となっての結果であろうか? こうした場合に....
「初雪」より 著者:秋田滋
き通るような白い指をその脣に押しあてた。 彼女は燕が幾羽となく飛び交っている、
目映いばかりに照りはえた青空を見上げたり、遠くエストゥレル山塊の気まぐれな峯の姿....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ゆえ、九歳の時に神童と言われ、十三の年に小学校の助教となれり。父の名誉、伯父の面
目、予のためには三条の町の町幅も狭きようにて、この所ばかりか近郷の褒め草。ある時....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
とであった。父はジェームス・ファラデーといい、母はマーガレットと呼び、その第三番
目の子で、ミケルという世間には余り多くない名前であった。父のジェームスは鍛冶職人....
「寡婦」より 著者:秋田滋
手を弄ぶともなく弄んでいた一人の若い女が、金色の頭髪でこしらえた小さな指環にふと
目をとめた。その時までにも何遍となく見たことはあったのだが、別に気にとめて考えて....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
にみな取りつかれるのである。ひとびとが、この眠たげな地域に入る前にいかにはっきり
目をさましていたとしても、間もなくかならず空中の魔力を吸いこんで、空想的になり、....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
に違いないのだと思った。けれども、一体どうして息子を探せばいいのか、その見当は皆
目つかなかった。それに息子に別れてから、もう十五年にもなるのである。よしんば、折....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
成功を夢みて、奔流する水道を、白波たつ波頭を蹴散らし蹴散らし、いささかのセンチを
目に浮べて、悲喜交々、闘志を抱いて渡る関門の海峡を、逆に白波を追っていた連絡船の....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
とした殿のお誤りから、あのお子が悪者の手にかかってお果てなされなければならない破
目に立到ったのを、色々苦心の末に、この山奥にお捨て申して、律儀な百姓の手に御養育....