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目にする
「目にする〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目にするの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「骨を削りつつ歩む」より 著者:佐左木俊郎
が松洲先生やお嬢さんは、私の身体《からだ》のことを心配してくれて、読書さえも控え
目にするように言ってくれた。しかし私は、矢も楯《たて》もたまらない程書いて見たく....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
」 「いいや笑った。確かに笑った。ふざけちゃいけねえ、ふざけちゃいけねえ。俺を盲
目にするつもりか。こうこう俺のこの眼はな二つながらちゃんと見えるんだぜ。節穴だと....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
の眼が気に喰わなかった。ぷーンとした態度が満足できなかった。 「こらッ! 不真面
目にすると、お前のためにならんぞ!」と、彼は呶鳴った。 「どうしたんでありますか....
「小公女」より 著者:菊池寛
、毛皮にくるまれた紳士と少女が、玄関を降りて来るのでした。その見なれた少女の姿を
目にすると、ミンチン女史は過ぎ去った日のことを思い起しました。すると、そこへもう....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
た。そのたんびにだんだん優しくも、愛情深くもなっていったが、やはりいくらかひかえ
目にするところがあった。五日目に、わたしが白鳥号でおなじみになった女中が夫人の代....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
なみでは計りきれないような感じをうけた。心霊術の実演よりも後閑一族の心のモツレを
目にする方がどれぐらいまたとない観物だか知れない。多年きたえた奇術師の眼力でとく....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
凍てが始まっていた。初雪が降って、はじめて橇に乗って行く日、白い地面や白い屋根を
目にするのは楽しいもので、息もふっくらといい気持につけ、この頃になるときまって少....
「イオーヌィチ」より 著者:神西清
のうちスタールツェフは、自分が生涯にいま初めて目にし、そして恐らくもう二度と再び
目にする機会はあるまいと思われるこの光景に、すっかり心を打たれてしまった。それは....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
無造作に置いてある。簡素で、たったそれだけの道具立てであるが、鶴見は朝々それらを
目にするたびに、そこにどうやら身に迫ってくる時代の新鮮味をおぼえるのである。 ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ない。自分の商売でもないことを、あまり立ち入って考えたら、かえって君らの人間を駄
目にするだろうと思うから、考えないつもりである。つまり、君らの人間を大事に思うか....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
ョン切ったものでございますよ」 「町人!」と造酒は語気を強め、「これこのおれを盲
目にする気か!」「これはまたなぜでございますな」「鎌傷か太刀傷か、それくらいのけ....
「役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
めて当然な事柄である、と私は考えます。しかるに実際において、われわれがときどき耳
目にする役人の行動はややともすれば私のこの信念を裏切ろうとします。そうしてそのた....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
り裏返してまた血をとる。脊骨のなかの血は針金を通して掃除し、肝臓は薄皮を剥ぎ賽の
目にするのだが、血管の血を去るには塩を厚くまぶすのである。塩は血を吸いとる性質を....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
年月を過します。もともと変った家庭に育った人同士が集って暮すのですから、お互に控
目にするより外には仕方がないのでしょうが、思うままに振舞おうとする人が一人でもあ....
「歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
やら、今は急に、十年も年を取ったかと疑われるまでに、身心共に衰えて、一杯の酒さえ
目にすることなく、自ら進んで絵の具を解こうなどという、そうした気配は、薬にしたく....