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目を離す
「目を離す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目を離すの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「百物語」より 著者:森鴎外
ながら、物を考えていた間だけであった。座敷を見ている間は、僕はどうしても二人から
目を離すことが出来なかった。客が皆飲食をしても、二人は動かずにじっとしている。袴....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
潮騒《しおざい》のように忙《せわ》しく乱れていた。彼は紀久子の顔から、いつまでも
目を離すことができなかった。 「結婚なんか、だってしようと思えば明日にでもできる....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の出る時にはたったりすわったりして、ただただ聞き手に回ろうとしている。 「すこし
目を離すと、すぐこれです。」 平兵衛は峠村の組頭らしく、ただそれだけのことを言....
「火星兵団」より 著者:海野十三
「ややっ、どうしてお前は、そんなことを知っているのか」
博士は始めて望遠鏡から
目を離すと、新田先生の顔を、穴のあくほど、じっと見すえたのであった。
博士の目....
「女の一生」より 著者:森本薫
んあんたはいい子だいい子だなんていっているが、油断もすきもありませんぞ、ちょっと
目を離すとこの有様です。 栄二 そうじゃないんだよ。おじさん、この人は僕達まるで....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
だ。こんどはお其があたしの後について、肩上げをつまんで離れずにいた。祖母や女中が
目を離すと、コチョコチョと人ごみにまぎれ込んで、屋台のものをつまむので、そのたび....
「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
嘆き始めた有様や、メアリゴウルドを正視するにも忍びないし、それかといって彼女から
目を離すことも出来なかった彼の心のうちなどを、一々述べていたら、随分と悲しい話に....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
口の中で言った。彼は三歩退いた。けれども、一瞬間前まで足でふみつけたその場所から
目を離すことができなくてたたずんだ。闇《やみ》の中に光っているそのものを、見開い....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
して考えた、「あの人形はどんなにか仕合わせだろう!」彼女はその幻のような露店から
目を離すことができなかった。見れば見るほどそれに眩惑《げんわく》された。あたかも....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
の高いのが一層高く見えるのである。 この刹那から後は、フレンチはこの男の体から
目を離すことが出来ない。この若々しい、少しおめでたそうに見える、赤み掛かった顔に....