目上[語句情報] » 目上

「目上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

目上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
》に、 「お早うございます」 と挨拶《あいさつ》した。その様子がいかにも親しい目上に対するような態度で、ことに水夫長は、 「御退屈でございましたろう。それでも....
雛妓」より 著者:岡本かの子
本尊の厨子の脇段に幾つか並べられている実家の代々の位牌に就いて、こどものときから目上の人たちに聞かされつけた由緒の興味あるものだけを少しく述べて置こうと思う。 ....
碁の手直り表」より 著者:菊池寛
漫な将棋である。碁もそうした所もあったが、専心研究した甲斐あって、この二三年三四目上達したらしい。去年の春頃打つと、四目置いて敵わない位であった。 自分は、ぼ....
死者の書」より 著者:折口信夫
られまする。以前から、何一つお教えなど申したことがおざりましょうか。目下の者が、目上のお方さまに、お教え申すと言うような考えは、神様がお聞き届けになりません。教....
獄中消息」より 著者:大杉栄
。また、あくまで止るという母の言も文字そのままに受取ることはできぬ。母としては面目上必ずそう言わねばならぬ位置にある。そこで足下は女同士でもあり、互いに話もしい....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
、というのは彼と趙太爺はもともと一家の分れで、こまかく穿鑿すると、彼は秀才よりも目上だと語った。この時そばに聴いていた人達は粛然としていささか敬意を払った。とこ....
端午節」より 著者:井上紅梅
から少からざる新しき感慨を引起したが、同時にまた幾多の新しき慰安を得た。たとえば目上の者が目下の者を抑えつけているのを見ると、以前は癪に障ってたまらなかったが、....
村芝居」より 著者:井上紅梅
か。 わたしどもは年頃もおつかつだったが順序から言えば一番下の弟だ。外に幾人も目上の者がある。村じゅうは皆同姓で一家であった。そうはいうもののわたしどもは友達....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
弓は、天晴れ渋川の家風に養われた逞ましい気性の女であった。ことに亡き母の姉という目上の縁者でもあるので、さすが強情の播磨もこの伯母の前では暴れ馬の鼻嵐を吹く訳に....
明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
は「金何十銭、何某様」と書いた紙を一々貼り出すことになっているから、客は自分の面目上、忌でも相当の寄附をしなければならない。悪い習慣だと批難する人もあるが、留桶....
三枚続」より 著者:泉鏡花
が情婦だったって、それじゃ愛想を尽しましょう、おまけにこれが行く先は、どこだって目上の親方ばかりでさ、大概神妙にしていたって、得て難癖が附こうてえ処でその身持じ....
審判」より 著者:カフカフランツ
分れた。 「万事は私とは縁が薄いことですから、私は平静に判断を下しますが、この名目上の裁判に諸君が関心がおありとして、もし私の申すことをお聞きくだされば、大いに....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
解し得られるようになって居る。その言葉は「先方へ行ったならば何事も親切に勉めよ。目上の人に仕うるのは女の道であるから一旦他家へ嫁いだ後はその家の舅、姑に従順に仕....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ばならぬ時期に行き当るでしょう。そういう時、人々はどうしたら宜かろうか、ある人は目上の人に相談に行き、ある人は学校の師の許へ出掛け、友達や両親、兄弟などとも懇ろ....
おけらになった話」より 著者:小川未明
どは、ゆだんをして、この男を逃がすようなことがあってはならないぞ。」と、番人は、目上の役人から注意をされました。 番人は、またと、そんなような手落ちがあっては....