目付[語句情報] »
目付
「目付〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目付の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
月十四日の昼には、天文に通じている家来の才木茂右衛門《さいきもえもん》と云う男が
目付《めつけ》へ来て、「明十五日は、殿の御身《おんみ》に大変があるかも知れませぬ....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
なった。あの人のことだから、いったん言い出したら忌といっても承知しまい。あの人の
目付きを見ろ」と、栄之丞は少しおびえたように言った。 男の弱いのが八橋の眼には....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
た。しかし、その衝動が、彼女の魂を形もあまさず掠《さら》ってしまって、やがて鈍い
目付きになり、それは、眠っている子供のように見えた。滝人は、その様子に残忍な快感....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
脚を抑えている孫と王の視線が、全く届かないところだった。 怪しい医師は、警告の
目付をしたあとで、唇をビクビクと動かせた。 漢青年は、しばらくその唇の動くのを....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も口を利かなかった。熊蔵は半七の袖をひいて、一緒に下へ降りて来た。 「お吉が変な
目付きをしたんで、野郎すっかり固くなって用心しているようだから、きょうはとても駄....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
夕飯のとき、牛丸が話しかけようとすると、牢番は、こわい目でにらんだ。そして不安な
目付で左右をふりかえった。そしてもう一度こわい目をし、大口をあいて、牛丸少年をお....
「雪魔」より 著者:海野十三
口をつぐんでいたが、やがて、 「誰にそんなことを聞いたの」 と、ちょっとかたい
目付で逆に尋ねた。 そこで彦太は、「それはお父さんが村の誰かから聞いたことさ」....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
が廻っているんじゃないか」 「憚りながら……」と貫一は、とうとう座り直して真剣な
目付になった。 「憚りながら的矢の貫一、胆玉がよわくなったの、腕があまくなったの....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ぶたは下って、目をとじさせているようだったが、ときどきびくっと目をあいて、すごい
目付で、あたりを見まわす。 「……おれが許すんだ。今日はのめ。……うんとのめ……....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
を結った白粉やけのした年増の女なんです。その女が、髷の根をがっくりと傾け、いやな
目付をして私に迫ってくるのです。払えども払えども、その怪しい年増女が迫ってきます....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
それに、もっと面白くないことは、ベラン氏夫妻が、互いに手を取り合って、意味深長な
目付をしたことであった。 「僕の惨敗だ。本艇に乗組んでいる者の中で、今度の宇宙旅....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
った。 志保子は注意ぶかく登志子の様子を観ていた。彼女は登志子が夕方など沈んだ
目付をして縁側にボンヤリ立っていた夜は、きっと近所の子供を集めて騒がしたりして登....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
り月の光が無い。乃公はどうも変だと思って、早くから気をつけて門を出たが、趙貴翁の
目付がおかしいぞ。乃公を恐れているらしい。乃公をやっつけようと思っているらしい。....
「村芝居」より 著者:井上紅梅
たしの左側に押されて小さくなっていた肥えた紳士に訊いてみると、彼はさげすむような
目付でわたしを一目見て、「※雲甫」と答えた。わたしはひどく極りが悪くなって顔がほ....
「快走」より 著者:岡本かの子
んでしょう。呼び寄せて叱ってやりましょうか」 母親は手紙を持ったまま少し厳しい
目付きで立上りかけた。 「まあ待ちなさい。あれとしてはこの寒い冬の晩に、人の目の....