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「目分量〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

目分量の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
。それも、五尺や八尺の近くならば、なにも改まって驚くにはあたらないことでしたが、目分量でもじゅうぶんに六、七間の距離があったものでしたから、右門の口辺にはじめて....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
う》がつかない事になるのである。眼を走らせて、二本の赤い鉄柱の距離《みちのり》を目分量で測って見ると、一町には足りないくらいだが、いくら眼と鼻の間だからと云って....
京に着ける夕」より 著者:夏目漱石
を顧《かえり》みて何だと聞くと妓楼《ぎろう》だと答えた。余は夏蜜柑を食いながら、目分量《めぶんりょう》で一間幅の道路を中央から等分して、その等分した線の上を、綱....
明暗」より 著者:夏目漱石
け》と自分のいる場所との間には、高さから云ってずいぶんの相違があると思った。彼は目分量でその距離を一間半|乃至《ないし》二間と鑑定した後で、もしこの下にも古い風....
播州平野」より 著者:宮本百合子
手で直せる代ものでもなくなっている。 「こりゃ百束は流れよりましたで」 登代が目分量で調べて云った。 「まだそこいらにひっかかっていやしませんかしら」 「なん....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ろ」 「馬鹿」 神尾は大奴《おおやっこ》の無駄を軽く叱って、板の面《おもて》を目分量して字配《じくば》りを計りながら、硯の海で筆をなやしておりましたが、やがて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
婆心もあってよかろう――ともかく、行って見よう。しかし距離が――あれだけの距離、目分量で、十町余りはたしかである。 これから、息をも切らさずに飛んで行っても、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
四匁七分あるのです」 と言って、お銀様は小判の一片《ひとひら》を指の上にのせて、目分量を試むるかのように、お雪ちゃんの眼の前に示し、 「一枚の重さが四匁七分あり....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
度に飲んだ。後から思えばこれは、劇薬の部で分量もよく調べねばならないのに、大概の目分量で飲んでしまったが、別に害ともならず、翌日から全く熱が下った。そのうち大阪....
ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
こから僕は、今度はその道に拠って、ドナウエシンゲンへどんどん引返した。時間は殆ど目分量で極めていて不安心だから、時には駆歩をした。 あるところに来ると家が二軒....
土地」より 著者:豊島与志雄
えてみねえ、後々まで残る立派な仕事だ。」 音吉は何とも答えないで、荒地の広さを目分量ではかっていた。平助は眼を外らして、遠く山々の頂に覗いている入道雲を、その....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
である。 ジャン・ヴァルジャンは菩提樹《ぼだいじゅ》の枝がさし出てる壁の高さを目分量で計った。約十八尺ばかりの高さだった。その壁が大きな長屋の建物の切阿《きり....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
前、だいぶんお金を儲けて来たという話だが」と趙太爺はそろそろ近寄って阿Qの全身を目分量した。 「何しろ結構なこった。そこで……噂によるとお前は古著をたくさん持っ....
吹雪のユンクフラウ」より 著者:野上豊一郎
空に、くっきりと鮮やかな空劃線《スカイライン》を描き出してる美しさ! 尖峰の数は目分量で三十から四十もあろうか? 鋭くとんがったり、おんもりと円味を見せたり、そ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
憐なのと、窈窕たると、二人を左右に従えて、血ぬった出刃の尖を垂直に落して、切身の目分量をした姉御は、腕まくりさえしないのに、当時の素裸の若い女を現実した。 「槙....