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「目切れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

目切れの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
おお》うていた綿のような初秋の雲は所々ほころびて、洗いすました青空がまばゆく切れ目切れ目に輝き出していた。青灰色によごれていた雲そのものすらが見違えるように白く....
雪の塔」より 著者:海若藍平
なりました。 その時に玉雄は、林の向うを風につれて雲のように吹き渦巻く雪の切れ目切れ目に、一つの高い高い真白な塔のようなものが天まで達《とど》く位立っているの....
丹下左膳」より 著者:林不忘
し討ちにした自責の念にかられていたのであろう。 すると――。 この騒ぎのきれ目切れ目に、どこからともなく風に乗って聞こえてくるのは、異様な子供のさけび声。 ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
を澄ますと、少女の泣く声が、よほど静まっているらしい。その歔欷り上げる呼吸の切れ目切れ目に、附添の婆さんが何か云い聞かせている気はいである。 人造石の床の上に....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
殺気――間一髪を容れぬ危機は次第に遠退いて行った。そうして女の冷やかな言葉の切れ目切れ目|毎に、この世のものとも思われぬ深刻な淋しさが次第次第に深くなって来た。....
支那米の袋」より 著者:夢野久作
て歯を喰い締めて、一心に耳を澄ましていると、ゴットンゴットンという器械の音の切れ目切れ目に、ドド――ンドド――ンっていう浪の音が、どこからか響いて来るじゃないの....
斬られたさに」より 著者:夢野久作
いをするばかりであった。燃え上るような眼眸で斬りかかって来た女の面影を、話の切れ目切れ目に思い浮かべているうちに酒の味もよく解らないまま一柳斎の邸を出た。 青....
死後の恋」より 著者:夢野久作
というような、一種の甘い哀愁を帯びた超自然的な考えばかりを、たまらない苦痛の切れ目切れ目に往来させながら、……はてしもなく静かな野原の草イキレに噎せかえりながら....
錦木」より 著者:宮本百合子
室に入ったきり夜一夜かねをならし、通る細いしおらしい声で経をよんで居た。経の切れ目切れ目にはかすかに啜泣きするらしい様子が女達の心を引きしめてだらしなく居ねぶる....
人間繁栄」より 著者:豊島与志雄
育ててきたんだから、今後も君が立派に育ててやるのが本当だ。」 彼女は言葉の切れ目切れ目に、そうだよそうだよと云うように、軽く首肯いてみせていた。彼が云い終ると....
復活祭」より 著者:久生十蘭
十二か。まったく夢だなア」 小原は手にものをいわせようというふうに、言葉の切れ目切れ目で鶴代の手を握りしめながら、 「さっき舞踏《ダンシング》室でチラと見たと....
地上」より 著者:島田清次郎
置きたいことがありますのよ――」と冬子ははじめた。彼女は伏目になって、言葉の切れ目切れ目に平一郎を真率に見上げた。 「こんなことを言わなくても平一郎さんは何もか....
」より 著者:夢野久作
るくるくると闇黒の中に渦巻き込む塵の幾群れが見える。それはちょうど古い追憶の切れ目切れ目に、われともなくわれ自身を逃れ出して行く、くるしみの幾群れに見える。 ....
春泥」より 著者:久保田万太郎
ある……そのほうへもだん/\足が遠くなった。盆とか、暮とか、正月とか、そうした折目切れ目以外には、これという用のない限り、ときたましか顔を出さなくなった。顔を出....