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目当
「目当〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目当の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
と言った手前、腹を立てる訣《わけ》にも行かなかった。
僕等はやむを得ず大銀杏を
目当てにもう一度横みちへはいって行った。が、そこにもお墓はなかった。僕は勿論《も....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ら、一かどの分限者《ぶげんしゃ》には違いありません。わたしは何もこの家《うち》を
目当に、うろついていたのではないのですが、ちょうどそこへ来合わせたのを幸い、一稼....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
様じゃ。推しても行って回向をしょう。ああもしょう、こうもしてやろう、と斎布施をお
目当で……」 とずっきり云った。 「こりゃ仰有りそうな処、御自分の越度をお明か....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
一息、兀の頂辺へ扇子を翳して、 「いや、見失ってはならぬぞ、あの、緑青色した鳶が
目当じゃ。」 で、白足袋に穿込んだ日和下駄、コトコトと歩行き出す。 年齢六十....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
たが、（え、）と札売の娘は解りかねる。（南京の出刃打は、）とうっかり言って、（お
目当はこれからですよ。）には顔から火が出た。いま、きみに対しても汗が出る。 ―....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
けて歩行くらしい。 見ても凄い、早やそこへ、と思って寝衣の襟を掻合せると、その
目当の閨で、――確に女の――すすり泣きする声がしました。……ひそひそと泣いている....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
と申しますよ、修行もその位になりましたこの小僧さんなぞのは、向って九字を切ります
目当に立てておく、竹切、棒などが折れるといいます。 しかし可加減な話だ、今時そ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
乗込んだようで、私には目新しい事も多いのであるが、旅さきの見聞を記すのがこの篇の
目当ではない。 件の傘に開けた辻で――昨夕、その時電車を下りて、賑かな、町筋を....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
めは思ったけれど、窓の一つからすこし灯《ひ》が洩《も》れているので、一同はそれを
目当《めあ》てにしてその窓下へ身をひそめたわけである。 ジイイイ……と、妙な音....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ない。三人は、雑草を分けて、奥へ奥へとはいっていった。左右にならぶ椰子の木の列を
目当てに、両者の中間をずんずんと奥へ行くのであった。 その道は、わざとそうした....
「地獄街道」より 著者:海野十三
坊という例のストリート・ガールが網を張っているのだ。これはカフェ崩れの青年たちを
目当てのガールなのだが、たまたまバー・カナリヤから出て来た彼の妖酒に酔いしれたお....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
ても此処と思う家が見当りませんので、今度は一軒一軒裏口へまわって、お由さんの声を
目当に探し廻りましたが、矢っ張り知れません。その中に十一時半になってしまいました....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
けだしたのであった。頼む目標は、イルシ段丘のうえに点っている航空灯台が、只一つの
目当てだった。その夜、イルシ段丘の灯火が、ドイツ軍の侵入をむかえて、いつものとお....
「地球要塞」より 著者:海野十三
像を越えた話である。 そういう話をもちだして放送するとは、われわれを嚇すことを
目当てにやったものに、ちがいない。いよいよ油断ならないのは、その怪放送者である。....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
ある三百代言であった。それに連る男女の一群は、いわずと知れた親族と称する実は遺産
目当てのたかり連中であった。 「他人は帰れ！」 の一言に、喜助は述べてみたい理....