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目当て
「目当て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目当ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
と言った手前、腹を立てる訣《わけ》にも行かなかった。
僕等はやむを得ず大銀杏を
目当てにもう一度横みちへはいって行った。が、そこにもお墓はなかった。僕は勿論《も....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の為かや今は冬枯れて』とか云いそうな場面です。誰の考えも同じことで、この榛の木を
目当てに『辿り辿りて来たりけり』という次第。何しろここで心中をするのだから、それ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い役目というに過ぎなかった。 それでも彼は奮発して出た。勿論、どこという確かな
目当てもないのであるが、さしあたりは父に教えられた心あたりの四、五カ所をたずねる....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
蛇の一件は失敗しましたが、次右衛門が因縁をつけて関口屋から金を取る。それを大吉も
目当てにしていたんですが、さてその談判がまとまって、いよいよ六百両の金を受け取る....
「家霊」より 著者:岡本かの子
い」 こう言って徳永は全くくたりとなった。そして「実を申すと、勘定をお払いする
目当てはわしにもうありませんのです。身体も弱りました。仕事の張気も失せました。永....
「地獄街道」より 著者:海野十三
坊という例のストリート・ガールが網を張っているのだ。これはカフェ崩れの青年たちを
目当てのガールなのだが、たまたまバー・カナリヤから出て来た彼の妖酒に酔いしれたお....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ない。三人は、雑草を分けて、奥へ奥へとはいっていった。左右にならぶ椰子の木の列を
目当てに、両者の中間をずんずんと奥へ行くのであった。 その道は、わざとそうした....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
けだしたのであった。頼む目標は、イルシ段丘のうえに点っている航空灯台が、只一つの
目当てだった。その夜、イルシ段丘の灯火が、ドイツ軍の侵入をむかえて、いつものとお....
「地球要塞」より 著者:海野十三
像を越えた話である。 そういう話をもちだして放送するとは、われわれを嚇すことを
目当てにやったものに、ちがいない。いよいよ油断ならないのは、その怪放送者である。....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
人がある。鎌倉へ来た以上、話のたねに牛に乗って行こうという人もある。それらの客を
目当てに牛を牽いた百姓らがそこらに徘徊しているのも、鎌倉名物の一つであった。 「....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
ろっておいたが、その秘密を知っている娘はひどく心配した。さりとて二百円の金を返す
目当てはとてもないので、どうなることかと案じているうちに、卵は孵った。六兵衛は、....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
ある三百代言であった。それに連る男女の一群は、いわずと知れた親族と称する実は遺産
目当てのたかり連中であった。 「他人は帰れ!」 の一言に、喜助は述べてみたい理....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
、かえって必死の太刀先きが鋭いので、権右衛門はあやうく斬りまくられそうになって、
目当ての姫や采女をそっちのけに、この寒い夜に汗を流しながら挑み合っていた。 こ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
か判らないが少くともこの異変が富士全山に関係あることを直覚した。すると彼の憎みは
目当てが出来たので、俄にそれへ注がれた。憎みは強い怒りとなってかの煙に注がれた。....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
も結びつくべき因縁があって、結びついたものであります。 結婚するに際して持参金
目当てとか、家門のため、子孫繁栄のため、生活能率増進のため、放蕩防止のために結婚....