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目新しい
「目新しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目新しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
だった。地上の生活からすっかり遮断《しゃだん》された船の中には、ごく小さな事でも
目新しい事件の起こる事のみが待ち設けられていた。そうした生活では葉子が自然に船客....
「或る女」より 著者:有島武郎
じた。倉地にとっては葉子はだんだんと用のないものになって行きつつある。絶えず何か
目新しい冒険を求めているような倉地にとっては、葉子はもう散りぎわの花に過ぎない。....
「出世」より 著者:菊池寛
、美術学校に添うて、図書館の白い建物の前に来た。左手に婦人閲覧室のできているのが
目新しいだけで、門の石柱も玄関の様子も、閲覧券売場の様子も少しも変っていなかった....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
通帳買います 質札買います」 恩給・年金の立て替えはべつとして、あとの二つは
目新しい商売だった。貯金通帳を買うとは、つまり例えば大阪貯蓄などに月掛けしている....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
すか、どうかも彼には気づかわれる。 「お民。」 半蔵は妻を呼んで、当時にはまだ
目新しい一銭の郵便切手を二枚|貼って出す前に、この手紙を彼女にも読み聞かせた。 ....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
密をも探究する事を得るのである。 この修業を怠るものは一時の器用と才気から何か
目新しいものを作る事が出来るとしても、それは本当に成長すべき運命を持たないであろ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
走って行く船は引き船だ」 わたしにとってはなんということばであろう。なんという
目新しい事実であろう。 わたしたちが、パスチードとボルドーを通じている橋の所へ....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
公はやはり心配そうであった。 7 二三日経った或日のこと、浅草観音の堂の側に、
目新しい芸人が現われた。莚を敷いたその上で大きな鼬を躍らせるのであったが、それが....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
歓びの感情が、たびたび起ってきた。とある道路の曲り目とか、とつぜん眼に入ってくる
目新しいものが、過ぎ去った日のことを思い出させ、少年時代ののびのびした楽しさを聯....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
腰を掛けて買物をするのでした。天井から美しい帯地や反物が頭の上へ下げてあるのは、
目新しい品を目に附くようにするのです。何か品をいいますと、後に立っている小僧さん....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
うと坂田はあやしげな易判断をした。 そして、同じやるなら、今まで東京になかった
目新しい商売をやって儲けようと、きつねうどん専門のうどん屋を始めることになった。....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
套で、黒い中折帽で二人揃って、夜の町へ出たとなると、忍びで乗込んだようで、私には
目新しい事も多いのであるが、旅さきの見聞を記すのがこの篇の目当ではない。 件の....
「審判」より 著者:カフカフランツ
れでもそれは、ほとんどなんらの印象をも彼に与えなかった。ことに、この情景がなんら
目新しいものではなく、彼が一度ビュルストナー嬢の部屋で見た海水浴場での写真の思い....
「はつ恋」より 著者:神西清
り魔法にでもかかったように、長いこと坐ったままでいた。その間に感じたことは、実に
目新しい、実に甘美なものだった。……わたしはほんの少しあたりへ眼を配りながら、じ....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
と私も庭へおりた。 ソーンダイクは、しばらく門のあたりを探しまわったが、なにも
目新しいものは見つからなかったらしい。彼と私が家のほうへ歩きかけたら、警部が興奮....